ネイティブ・イングリッシュは有名な大学受験予備校、四谷学院が開発した英語教材です。予備校が作った教材らしく、今時珍しいぐらい、お勉強チックな形式の教材です。
構成としては非常にシンプル、英会話のフレーズが会話形式で並んでおり、その文章を読んだ後、一つずつ意味をチェック、覚えていくという流れです。音声CDも付いているので、リスニングの勉強も同時に出来るという仕組みです。
ここまで読んで頂いても分かるように、特別、趣向を凝らしたようなものはありませんが、最初に結論からお伝えしておくと、個人的にはかなり高評価です。
元々、私は英語というのは、英文を読んで聞いて覚えるということを、ひたすら繰り返すしかないと思っているので、ネイティブ・イングリッシュのような構成には納得します。・・・というより、これしかないと思っています。
そのうえで、ネイティブ・イングリッシュが秀逸だなと思う理由が6つあります。
1:ボリュームが多い
ボリュームが多いので、本気で勉強すれば、かなりのレベルで実力がつくのは間違いありません。3冊テキストで、合計約350ページ。本1冊分といった感じなので少なく見えるのですが、中身が詰まっているので、手応えのあるボリュームとなっています。
内容全てを理解して使えるようになるには、1年ぐらいはかかるのではないでしょうか。この教材1つで1年間勉強出来ると思えば、なかなか安上がりです。
2:使える表現が多い
ネイティブ・イングリッシュの最大の魅力は、収録されている内容の質です。場面ごとに英文がまとめられているのですが、同じ状況に遭遇すれば、絶対に使うだろうなといった表現ばかりです。
たとえば、道を尋ねるというよくあるテーマのなかで、こんなフレーズがあります。
この地図で私たちのいるところを示してくれますか
Can you show us where we are on this map?
この言い方って、実際に海外に行って、道を尋ねる時には使えます。外国の街にいって観光をする場合、地図を片手に歩くのは間違いなく、道に迷った時にも、いちいち説明してもらうよりも、地図で、自分が今どこにいるか場所を指してもらうほうが分かりやすいです。
ですから、恐らく、実際にはこういった聞き方をするのは間違いありません。(この言い方が分かれば、他の聞き方はしないような気がします。)
使える度は100%ですが、これだけ重要度が高いわりには、あまりこのフレーズが載っている参考書やフレーズ集、教材はありません。こんなふうに、本当はこういったことが知りたいのに誰も教えてくれなかったというようなフレーズが、ネイティブ・イングリッシュには幾つも載っています。個人的には、この教材一番の魅力がここだと思っています。
3:リスニングのスピードがナチュラル
ネイティブ・イングリッシュに収録されている音声は、手加減なしのナチュラルスピードです。これはリスニングを勉強する時には鉄則です。英会話教材だと、日本人向けにゆっくりハッキリ話した英語が収録されていますが、こういった英語を聴き取れるようになっても、実践では全く使えません。
よくある『TOEICのリスニングは聴き取れるんだけど、ネイティブとの会話になるとサッパリ・・・』といった結果になるのがオチです。ネイティブとのコミュニケーションを前提にするのであれば、自然なスピードの英語を聴く必要がありますが、そこを押さえているのがネイティブ・イングリッシュです。
さらに、ネイティブ・イングリッシュには倍速の音声も収録されています。倍速というのは、テープの早送りのような感じで、普通よりも速いスピードで収録されたものです。これはリスニングのトレーニングには、かなり有効的です。
理論的なことはよくわからないのですが、2倍速、3倍速の音声を聴いたあと、ナチュラルスピードの音声を聴くと、妙にゆっくり聞こえます。これを繰り返すと、ネイティブの普通の会話にも、簡単についていけるようになります。
私は、よく市販の教材や参考書のCDを利用して、倍速の音声を自作していましたが、ネイティブ・イングリッシュは、はじめからついているので便利です。
4:基礎的な文法知識があれば十分
ネイティブ・イングリッシュの会話文で使われている文法知識は初歩的なものなので、文法が苦手という人でもついていけます。実際の会話においても、高度な文法知識が必要となることはないので、これは有り難いです。
ただし、ネイティブ・イングリッシュの内容を、文法的に理解出来ないということは、さすがに知識不足なので、そういった人は別途、勉強することをオススメします。中学卒業程度の知識レベルで十分なので、中学生向けの参考書を利用すればOKです。
5:発音に関するアドバイスもある
英語の発音を正確に理解しておかないと、スピーキングもリスニングも、どこかで不十分になります。通じるようで通じなかったり、聴き取れるようで聴き取れなかったり・・・
日本ではあまり強調されていませんが、実は発音は語学を習得するための重要ポイントです。ネイティブ・イングリッシュは発音の解説も丁寧なので、何も知らないという人でも、解説の通りに覚えれば、必要知識をマスター出来ます。
6:勉強しやすい
分からないところが出てきたり、うまく勉強が進まなくなった時に、メールで質問出来る仕組みがネイティブ・イングリッシュにはあるので、途中で挫折するリスクは少なくなります。課題を提出して、添削を受けるという仕組みもあるので、学習スケジュールを立てやすく、モチベーションも維持しやすいです。
まとめ
こういった感じで、ネイティブ・イングリッシュはこの教材だけで、初心者が英語スキルを伸ばせる構成になっています。実用性が高い教材でもあるので、効率良く生きた英語が学べます。
テキストをみて、CDを聞いて、内容を覚えて・・・というオーソドックスなスタイルなので、地味な勉強は苦手という人にはキツイかもしれませんが、読書が好き、コツコツと取り組むのが好きという人にはピッタリです。
8日間、無料で試用出来る制度があるので、興味がある人は、一度試してみることをオススメします。
■ネイティブ・イングリッシュ