英語の発音を勉強しなければ、リスニングスキルは上達しない
これは私が、ずっと英語を勉強してきたなかでの経験則として確信していることです。正確にいえば、発音を勉強しなくてもある程度までは英語を聞き取れるようになるけど、どこかで頭打ちするということです。
ゆっくりとした英語だと聞き取れるけど、ナチュラルスピードの英語は聞き取れないニュースは聞き取れるけど、映画はダメ
もし、あなたがこういった状況にあるとして、今まで発音の勉強をしてこなかったのであれば、発音に関する知識を身につけることで、リスニングスキルが劇的に向上する可能性が大です。
私自身が、そうだったからです。 文字通り、あるときから突然、それまで聞き取れなかった英語が理解出来るようになりました。それまではスクリプトを読むと『こんな簡単なフレーズだったんだ』という英語が聞き取れなくて、どうしたらいいのかと途方に暮れていたのですが、英語の発音を知識として理解するだけで状況が一変しました。
ちなみに、私の場合、発音を勉強した時点でTOEIC800以上のスコアを取るだけの地力があったので、劇的な変化となりましたが、英語の基礎知識が少ない人は、変化の幅は狭いかもしれません。
でも、早い段階で発音の知識を身につけておけば、今後の英語学習が楽です。リスニングの勉強をすればするほど、英語を聞き取れるようになるはずです。
逆に、TOEICで800以上のスコアを取れる人間でさえも、発音の知識がなければ、ナチュラルな英語を聴き取ることは出来ないということです。リスニングスキルを伸ばすうえで、発音の知識は必要不可欠ということを示す実例として捉えて頂ければと思います。
発音の知識がないとリスニングが出来ない理由
では、なぜ発音に関する知識がないと、リスニングスキルが上達しないのでしょうか?
これは英語と日本語が根本的に違う構造をしていることに原因があります。日本語はアイウエオの母音が中心です。どんな言葉にも必ず母音がつきます。『カ』は『かあ』と『ア』がつきますし、『セ』は『せえ』と『エ』がつきます。
そんなこと当たり前でしょと思われたかもしれませんが、それは日本語を使っている私たちの感覚であって、この感覚でいる限り、英語は絶対にマスター出来ません。
英語はB D F G Hなどの子音が中心の言語ですが、子音というのは日本人からすると、言葉とは思えない発音になります。たとえば、『touch』の『ch』は舌打ちをした時のような音です。
日本人からすると、まさに音であって、言葉ではありません。でも、英語では立派な言葉となります。この感覚のギャップが日本人が英語を聞き取れない原因となっています。
この音を日本語風に表記すると『チ』ですよね。でも、英語では舌打ちの音と『チ』は全く別物の言葉です。その違いを認識できないと、日本人は『ch』という発音を聴き取ることが出来ません。
それでも、英語に慣れてくると、ゆっくり丁寧にしゃべってもらえれば、何とか認識できます。でも、スピードが速くなると、全くダメです。日本人がナチュラルな英語を聴き取れないのは、そういった要因があるからです。
英語の子音というのは日本語にない音なので、これが言葉なんだということを頭で理解しておかないと、ネイティブが話をしたときに素通りしてしまいます。
小さな子供は、それを感覚的に理解することが出来るので、自然に聴き取れるようになりますが、日本語にどっぷり浸かった大人は無理です。(英語圏にいると子供が勝手に英語を話せるようになるのは、こういった背景があります。)
ここまで読んで頂いても、意味が分かるようで分からないという人も多いと思います。それも当然です。日本人の感覚には無いことを話しているからです。
私が違いを認識しているのは、英語の発音を本格的に勉強することで、頭と体で英語と日本語の違いを実感したからです。
ですから、まずは騙されたと思って、発音の勉強をしてみてくださいというのが、正直な意見です。1個、2個でいいから英語の子音の発音方法を覚えれば、ここまでお話したことが実感できます。
同時に、英語が聴き取りやすくなっていることを体感するはずです。リスニングが苦手という人は、ぜひダメ元で発音の勉強をしてみてください。文字通り、すぐに違いを実感できます。
発音とリスニングを効果的に勉強するには
日本人が英語を聴き取れないのは、子音の音を瞬時に聞き分け・分析する能力を持っていないためです。英語の子音を一つずつ、こういう音なんだということを知識として理解する必要があります。
そのための方法というのは極めて簡単です。英語の発音方法を解説している参考書を1冊読めばOKです。
私が知っている限りでは、下記の本がオススメです。
私が読んだことがある本のなかで良かったと感じたものということで取り上げていますが、このところ英語の発音に関する本は、たくさん出版されています。
もしかしたら、もっといい本もあるかもしれないので、本屋さんに行って、色々と見てみるのもいいと思います。
また、本を読んでみたけど、理解がイマイチ(それほどリスニングスキルがアップしていると思えない)という場合には、リスニングパワーという教材を試してみてください。
日本人が苦手な英語の音を聞き取れるようになるために、加工された英語の音を収録している教材です。日本人向けに分かりやすくした音から始めて、だんだんナチュラル英語に耳を慣らしていくというやりかたですが、この流れが非常に工夫されているので、教材を繰り返し聴いているうちに、自然に英語を聞き取れる耳になってきます。
これだと書籍で効果がなかった人も実感出来ると思います。販売サイトにサンプルが掲載されているので、そちらを試してみてください。
書籍と比べると語学教材は高いので、まずは本の利用から始めたほうがいいと思うのですが(それで効果が出れば安く済むので)、それでダメだった人は次の選択肢として考えてみてください。
語学教材のなかでは安価なので、費用対効果は高いと思います。