英語に限らず、言語をマスターするというのは、自分のなかに言葉というデータベースを構築していくことです。どれだけ豊富なデータベースを構築できるかというのがポイントです。

 

しかしデータベースというのは、一気に増やせるものではありません。1つずつ地道に増やしていくものです。

 

読書家のような言葉と接する機会が多い人ほど言語能力が豊かなように、多くの言葉や表現と接して、自分のデータベースに加えることで、言葉を操る能力が上達するというのが自然なプロセスです。

 

英語が話せないというのは、英語という言葉のデータベースが圧倒的に少ないため、自分が言いたいことを表現出来ないし、相手が口にしていることも分からないということです。

 

そのため、単語やフレーズを覚えましょうという話になるわけですが、日本の英会話本や英語学習書を使うだけでは、データベースに不足する部分が出てきます。それは、生きた会話表現に関するデータが増えないということです。

 

外人さんと話をしてみると実感しますが、日本の学習書や英会話フレーズ集に登場する言葉が、そっくりそのまま出てくることは殆どありません。学習書に出てくるフレーズは表現として100%の完成形ですが、実際の会話だと省略したり、英文法的に微妙に違った言い方をしたりと、不完全な状態で使うことが珍しくありません。

 

こういった言い回しはデータベースに無いため、ちょっとした違いでも、最初は脳は別物と判断してしまいます。何度も接しているうちに、『こういったことか』とデータベースに追加され、その繰り返しで、だんだん生の会話にもついていけるようになります。

 

要は机上の学習だけでは現実世界で必要なデータが全て揃わないので、学習効果にも限度があるということです。生身の人と接しながら勉強するプロセスが重要ということです。

 

また、生身の人と接するということには、もう一つ重要な効果があります。それは、英語を勉強する目的意識が明確になるため、学習効果が劇的に上昇するということです。

 

ネイティブと話をして満足にコミュニケーションをとることが出来なかったという後悔や悔しさ。もっと、こんなことを話してみたいという意欲。英語が話せるようになれば、こんなことが出来るという希望。

 

実際に人と接して、そのなかで英語を使ってみると、英会話が出来ないことのデメリット、英会話が出来るようになるメリットを痛いほど実感できます。これは、頭のなかで、想像で考えるメリット、デメリットとは次元が違います。

 

体験してみれば分かりますが、これまでと比較にならないくらい、学習意欲が高まります。学習意欲というより、英語を話せるように努力することが自然なことと感じるようになります。

 

こうなれば、同じように勉強したとしても、そこから得られる効果は全く違います。瞬く間に勉強したことを吸収するので、どんどんスキルアップします。

 

海外で生活していると、言葉が覚えるのが速いと言いますが、それは常に言葉を覚えるメリットを実感出来るため、学習意欲が常にマックスの状態に保てるからです。

 

英語をマスターしたければ、英語を使う場に身を置いて、英語を話すという実経験をする。このプロセスは必要不可欠です。今は日本全国、どこでも外人さんと英語で話す場を見つけることができます。意欲的に場に飛び込んでいきましょう。