最も効率よく英語のリスニングスキルを上達させたい場合、次の3つのプロセスで進める
やりかたがオススメです。短期間で実力を伸ばすことができます。

 

ポイントは、英語の聴き取り練習をする前に、英語の発音と文法について勉強して、基礎力を
つけておくことです。発音はともかく文法となると、『リスニングと何の関係があるの?』と思われる方が
少なくないと思います。

 

余計な回り道のように思えるかもしれませんが。文法と発音に対する知識があると、英語を聴き取る
ことが容易になるので、実は効率が良いやりかたです。その理由にも触れながら、リスニングの
勉強法をお伝えします。

 

1⇒2⇒3の順番に段階を上っていくという前提でまとめてあります。

 

基本的には1=初級、2=中級、3=上級という位置づけではあるのですが、たとえば
実力的にはそこそだけど、英語の発音を勉強したことが今までなかったという人は
第1ステップから始めたほうがいいというケースもあります。

 

自分のレベルを考えて、最も合っていると思うところから始めてみてください。

 

英語のリスニングスキルを伸ばす3つのステップ

 

第1ステップ:発音と文法をマスターする

リスニングの勉強法というと、英語を聴くということを真っ先に
思い浮かべられるかもしれません。当然のことなのですが、その前に実行しておいたほうがいいことが2つあります。

 

それは英語の発音をマスターすること文法知識を身につけることです。

 

この2つは言葉を構成する重要な要素です。家の建築にたとえれば、土台となる
部分です。土台がぐらいついているところに家を建てても安定しないように、英語も
発音と文法がおざなりな状態では、幾ら英語を読んで聴いても意味がありません。

 

ひたすら読んで聴くという力技でも確かにリスニングスキルは上達するのですが、
どこかいびつなものになります。(理解できない苦手な部分も出てくるはずです。)

 

これは実際に体験して頂いたほうが早いのですが、発音を知識として身につける
だけで今まで聴き取れなかった英語がはっきり理解できる
ようになります。
リエゾンも大丈夫です。

 

(英語が上達したという実感を明確に味わえるので、結構感動的です。)

 

逆に発音が不十分なままだと、聴き取れない音はいつまでも、そのままです。
苦手な音を何度も繰り返し聴くことで耳を慣れさせるということも出来ますが
(私も昔はこんなことをしていましたが)、発音を知識として覚えてしまうほうが
リスニングスキルの上達度は遥かに速いといえます。

 

この点については、こちらのページ『発音に関する本』でより詳しく説明させて
頂いているので興味がある方はどうぞ。

 

文法も同様で、単語としては意味が理解できて聴き取れたとしても、文脈のつながりの
なかで理解できなければ、相手が何を言っているのか、さっぱりわかりません。

 

言葉というのは一定のルールに沿って出来上がっているものであり、そのルールを
知らなければ使いこなすことは出来ません。

 

そのルールが文法です。

 

スポーツでもゲームでも、まずはルールを覚えなければ楽しむことは出来ないですよね。
英語もそれと一緒です。

 

最初に英語のルールである文法知識を身につけましょう。

 

発音と文法を最初にマスターしておくと、その後が非常に楽。
これは自らの体験からも断言出来ます。

 

発音と文法を効果的に勉強するには?

 

それでは発音と文法は、どんなふうに勉強していけばいいのでしょうか?

 

発音に関しては市販の参考書を1冊、購入してその内容を全部覚えればOKです。
覚えるといっても暗記するのではなく、実際に自分で口にだして、やりかたを身に
つけるというものですから、やりやすいと思います。

 

こちらのページにオススメの参考書や教材をまとめてありますので参考にしてください。

 

文法に関しても、市販の参考書や問題集を解いていけば、それでOKですが、
ポイントは簡単なものを選ぶということです。

 

文法といっても、高校生が学校の授業で習う程度のもので構いません。
英検の準1級などで登場するような『実際に使う機会があるの?』という
ような知識は不要です。

 

初心者向けのTOEIC対策本を活用するのもいい方法です。

 

参考書としては『高校総合英語Forest(http://www.amazon.co.jp/tb)』がオススメです。
イラストが多用された分かりやすい内容となっています。

 

第2ステップ:語学学習者向けの書籍や教材で勉強する

発音と文法を押さえたら土台作りはOKなので、次に実際に英語を聴いていきます。

 

ここでのポイントは、どんな素材を使って勉強していくかということです。自分のレベルに
合ったものを選択することが大切です。簡単すぎても難しすぎてもダメです。

 

実力ごとに段階を細かく分けてお話していきますので、自分のリスニングスキルの
上達度に合わせて、参考にしてください。

 

ちなみに、ここではTOEICのリスニングセクションの数字を目安にしていきます。

 

もし今までTOEICを受けたことがないという方は、模擬問題を解いてスコアを
出してみてください。

 

TOEICのスコアが500以下(リスニングセクション250以下)の場合

英語学習初心者向けのやさしいものを素材にして勉強しましょう。『入門編』というような言葉が入っているTOEIC対策本や参考書などがオススメです。

 

勉強法として意識して欲しいことは、『耳で聴くこと』と『口に出すこと』を心がけることです。
特に『口に出す』ということはあまり馴染みのないことかもしれませんが、とても重要です。

 

学校の国語の授業で教科書を口に出して読んだという経験があなたにもあると思います。
いわゆる音読ですが、これは非常に学習効果が高いものです。言葉を覚えるときには必須の勉強法です。

 

耳で聴いて口に出すということをしていけば、言葉は間違いなく覚えられます。
このプロセスをひたすら繰り返しましょう。ちなみに文章を口にすれば、その言葉が
記憶に残りますので、語彙力も自然にあがります。

 

問題集を解いたときには、そのあと、問題文やリスニングのスクリプト文を読んでみます。
音声を聴いて真似ることを心がけると、さらに高い効果を期待できます。

 

英会話のフレーズ集を使うときにも、聴いて意味を理解するだけでなく、そこでも必ず
口に出してみるというプロセスを付け加えましょう。

 

ここさえ忘れなければ、英語のリスニングスキルは必ず上達します。

 

初心者の場合、英会話教材を活用するのもいい選択肢です。教材を使って、
最も効果を期待できるレベルといえます。

 

基本的には自分の好みで選択すればいいのですが、理想をいえば、上記のような
勉強法を取り入れていて、その教材を使うことで、最適な勉強法を身につけることが
できるというようなものがベストです。

 

オススメは30日間英語脳育成プログラムヒアリングマラソンkikuzoなど
です。いずれの教材も『聴く』、『話す』の連動を重視しています。

 

特に30日間英語脳育成プログラムは英語学習の第一人者と言われる大学教授が開発、
監修に関わっているものなので、とてもしっかりしています。

 

リスニングスキルを効率的に上達させることができるでしょう。

 

TOEICのスコアが500~730以下(リスニングセクション250~365)の場合

これぐらいのスコアを出せる人は基礎力が十分身について、間違いなく初心者と呼ばれる
レベルを超えている状態です。

 

こういった人は勉強法自体は変わらないのですが、素材のレベルはあげていくことになります。

 

書籍や英語教材というのは、対象レベルをTOEICのスコアで表記しているものが少なく
ないので、自分のスコアに合ったものを選べば大丈夫です。
(少し上のスコアを対象にするのもいいです。)

 

また、そろそろ英語のニュースや英字新聞などにも興味が湧く頃かもしれません。生の英語に接するのはとてもいいことなのでオススメなのですが、背伸びを
しすぎるのはよくありません。

 

内容が殆ど理解できない、聴き取れないということであれば、まだ時期尚早です。決して焦ることはないので、語学学習者向けの素材で実力を蓄えましょう。

 

既にこれぐらいのレベルにあるという人は、第1ステップに戻って、発音と文法が
大丈夫かどうか確認してみてください。

 

恐らく文法に関しては大丈夫だと思いますが、発音はおざなりになって
いるかもしれません。今のうちに直しておかないとリスニングスキルの上達が頭打ちになってしまう
可能性もあるので、チェックしておきましょう。

 

TOEICスコア換算で600前後ということでしたら、先ほどご紹介した
30日間英語脳プログラム』や『ヒアリングマラソン(このレベルの人は中級コース)』は
役立つはずです。

 

最後に、聴いて口に出すというトレーニングを欠かさず続けているのに、実力の伸びが
悪くなってきているという場合、原因として考えられるのは語彙力不足です。

 

意識的にボキャブラリーを増やす努力をしてみましょう。

 

この場合も、やりかたは聴いて口に出すです。また、必ず単語を一つずつ、そのまま
覚える丸暗記ではなく、文章の流れの中で覚えるようにしましょう。

 

勉強の素材としては、書籍であればDuo、教材であればボキャビルマラソンがオススメです。
どちらも効率よく語彙力を増やすことが出来ます。

 

第3ステップ:生の英語に接する頻度を増やす

TOEICのスコアが730以上(リスニングセクション365以上)の場合

このレベルまで到達した人であれば、自分がどんなふうに勉強すればいいのかと
いうのは十分に理解されているでしょう。

 

そのため、シンプルに説明させて頂きますが、このレベルの人達は、そろそろ生の
英語に触れる機会を持つ時期です。

 

ニュースや英字新聞、ドラマ、映画、ペーパーバックという選択肢や、場合によっては
英会話スクールに通って、ネイティブ講師と話をするというようなことをしてもいいかも
しれません。

 

書籍や教材を使う場合にも、手加減がないレベルが高いものにしましょう。

 

教材でいえば『1000時間ヒアリングマラソン』や『TOEIC900突破コース』といったものが
非常にレベルが高くハードです。

 

気をつけるべきことは、殆ど内容が理解できないというような素材は使わないということです。

 

自分に合った素材で、聴いて口に出すということを繰り返す。同じことの繰り返しですが、
結局はこれがベストです。

 

最後に、少し変わった方法論にはなりますが既にプロレベルの実力を身につけた
語学学習者の意見を参考にするというやりかたもアリです。

 

詳しくは『なぜ、あの人は英語ができるのか?出来る人に学ぶ勉強法!』を参考にしてみてください。

 

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