英語のスピーキングスキルを上達させるための勉強法については、『発音をマスターする』、『英語を口にすることに慣れる』、『実践トレーニング』の3段階に分けてお話していきます。
基本的には1⇒2⇒3の順番に段階をおって進んでいくという前提でまとめてありますが、これは私のなかでスピーキングスキルを向上させるために最も理に適っていると思っているやりかたです。
発音をマスターしてから、次に英語を口にすることに慣れるための練習する、逆に発音を理解する前に練習するようなことはしない。
こういった考え方です。
それでは第1ステップから説明していきます。
第一ステップ:まずは発音をマスターする
何はさておき、まずは発音を覚えることが先決です。英語を話す上での基礎工事にあたるものといえますが、発音が悪ければはせっかく覚えたことを口にしても、ネイティブの人には伝わらないという悲しい目にあうことになります。
また、キチンとした発音で話している言葉は聴き取ることも出来るようになるので、リスニング能力を鍛えるということにもつながり、一石二鳥です。
発音の勉強法についてはこちらの記事『発音に関する本』を参考にしてください。基本的には参考書1冊で間に合います。
第2ステップ:英語を口にすることに慣れる
発音がマスター出来たら準備完了、いよいよスピーキングのトレーニングを始めます。しかし、あなたが普段、英語を話す機会がない生活をしているのであれば、どれだけ英語の知識があったとしても、『話すこと』に関しては未経験者同然です。
そこでまずは英語を話すことに慣れることを最優先目標としましょう。
この段階では、英会話スクールに通って、ネイティブとフリートークなんてことをしても殆ど身になりません。会話というものは置いといて、まずは英文を口に出して読むことから始めましょう。
この段階でのスピーキングスキルを上達させるための勉強法としてオススメなのは音読とリピーティングです。
この時期は質より量。口に出したことが間違っているかどうか、というようなことは気にせずにガンガンいきましょう。慣れてきたら、少しずつ題材をレベルアップしていきましょう。特にリピーティングに関しては長い文章にトライするようにしていきましょう。
第2ステップぷちアドバイス
言いにくいコトバは後回し
勉強をすすめていくと、どうしてもしゃべりにくいという単語にも出会うものです。そういったときには、一旦そのコトバは忘れましょう。
だんだん慣れてくるうちに、今は喋るのが難しいコトバも簡単にいえるようになりますので心配ありません。
自分には難しいというコトバは抜かして、取り組みやすいところから始めましょう。易しい単語しか出てこないような本や教材を選ぶようにするといいですね。
易しいコトバをすらすら言えるようになることが大切
スピーキングは苦手でも、英語は長年勉強してきて、TOEICのスコアは700なんていう方もいるかもしれません。こういった方の場合、スピーキングの題材も難しいものを選びがちですが、話すという経験がゼロの場合には、スピーキングに関しては初心者と考えて、簡単なものにしましょう。
高校生が使うような参考書でもOKです。知識を覚えることではなく、口にすることが最大の目的なのですから、題材の内容を気にすることはありません。今の自分にとって言いやすいものかどうかという観点で判断してください。
それが最も効率的に英語のスピーキングスキルを上達させるコツです。
第2ステップ学習者にオススメの本&教材
音読やリピーティングというのは基本的に題材となるものさえあれば、何でもいいのですが短時間で効率よく勉強したい人には、こういった学習法を積極的に取り入れている英会話教材を使うことをおススメします。
●『30日間英語脳プログラム』
リピーティングのトレーニングを重視しているプログラム。
ほかにも、『話す』ということに重点をおいた学習法が組み合わされています。パソコンを利用した学習ソフトですが、画面に表示される指示通りに学習していけば、効果が出るという分かりやすさも初心者には有難いものとなっています。
ストレスを感じずに学習が出来るように、収録されている英文の内容や構成に工夫がされているので、初心者でも十分についていけます。
この教材は日系の航空会社や海外取引が多い一部上場メーカーで研修用として導入されているのですが、それも納得のわかりやすい教材となっています。
●『コエダス』(アルク)
スピーキングの効果的なやり方を学べる講座。テキストで使われている単語は日常会話に頻繁に登場するものばかりなので、会話表現を効率的に覚えられます。
文法や用法にもこだわっているので、正しい英語を身につけられます。トークるズと比較すると、よりお勉強モードとなっている教材です。
●『NHKラジオ講座』
ラジオ英会話・英会話入門はスピーキング用のテキストとして申し分なし。コストもかからないのでオススメなのですが、好き嫌いが別れるのも事実です。もし、自分に合っていると思ったら、迷わずどうぞ。ポイントは、テキスト全文を覚えるぐらいの気持ちで、何度も読み返してみることです。
●『アメリカ口語教本』
ガチガチに堅い内容の典型的な参考書なのですが、スピーキング上達のために必要なトレーニング方法を一通り実践出来ます。ボリュームもいっぱいなので、この1冊をやり遂げるだけでもかなりのものになるでしょう。
ただし、内容についていけないという人も少なくないと思いますので、必ず事前に中身はチェックするようにしてください。
スピーキングが効果的に出来るように構成された本。シリーズになっており、自分のレベルや覚えたい表現のテーマに合わせて選択できます。
第3ステップ
英語を口にすることが慣れてきたら、実践的なトレーニングを行いましょう。音読やリピーティングの題材をペーパーバックや英字新聞、あるいはテレビのニュース番組にしたり、ネイティブと実際に会話をしてみたりします。
英会話スクールのレッスンを受けることも選択肢と考えていいかと思います。通う時間がない、あまりお金をかけたくないという方は、インターネット上でレッスンを受けられるオンラインスクールも狙い目です。
私もこのところ、オンライン英会話スクールの価値に気付いて、積極的に受講しています。こちらのページに、その内容をまとめていますので、興味がある方はご覧ください。
また、英会話力というのは知識と比例します。英語のフレーズをどんどん頭に叩き込んで『こういった時には、英語ではこんなふうに言う』というパターンを多く身につけましょう。
フレーズ集を利用して、片っ端から例文を覚えていくのがオススメです。
第3ステップ学習者向けのぷちアドバイス
実践する機会を持とう
上級者に必要なことは、なんといっても実践の場です。自分が覚えたことを実際に会話の中で使用することによってキチンとした知識として身につきます。
このレベルに到達した人ならば、ネイティブの人間に交じってもそれなりに渡り合えます。
ネイティブの人と知り合うチャンスがある人は、積極的にコミュニケーションをとってみましょう。もし、そういう機会がないという人は英会話スクールへ行くのも手です。このレベルの人であれば、元はとれると思います。
インプットする場合には内容にこだわる
勉強している人自身が一番分かっていると思いますが、語学力を伸ばす余地はいくらでもあります。油断せずに今までと同様、独学で勉強することも続けていくべきです。ただ、このレベルまできた人であれば、量もそうですが、質にもこだわるべきです。
例えば、口語表現を積極的に身につけようとか、ビジネスの場で使う表現に的を絞ろうとか、テーマを持って取り組むべきです。また、喋れればOKというスタンスではなく、間違いの無いキレイなコトバをしゃべることにこだわるのもいいことです。
ちなみに仕事で英語を使うという場合には、その分野に関する専門用語を覚えることも必須ですが、これは市販の書籍や教材ではカバー出来ません。
それよりも、実際に職場で使われている書類などを読んだほうが速いです。
第3ステップ学習者にオススメの本&教材
『話すための英文法』
フレーズを音読で覚えながら、同時に文法知識も理解してしまおうという趣旨の英会話フレーズ集です。英文法の項目ごと(時制・動名詞・仮定法といった項目です)に英文がまとめられています。
元々は文法に焦点を当てている会話集ですが、収録されている内容が実践的で覚えたらすぐに使る機会が出てきそうなものばかりです。個人的には今一番はまっているお気に入りの会話集です。
『スクリーンプレイ』
映画のスクリプトが全て掲載されている本。要は映画の台本です。映画なので実際の生きた表現を学ぶには最適。また、テーマによっては専門分野のコトバも覚えることが出来ます。ヒアリング教材としてもオススメです。