中学生レベルの単語を理解していれば、日常会話には不自由しない
耳にする機会が多いセリフと思いますが、非常に誤解しやすいコトバでもあります。今日はそのことについて、書いてみようと思います。
このセリフ自体は、間違いありません。中学卒業時のレベルで日常会話に必要な全ての単語とまではいかなくても、少なくても80%ぐらいはカバーできると思います。
会話をするのであれば十分です。時々、知らないコトバが出てきても、会話の流れのなかで意味をたずねて、その場で覚えるぐらいのことは出来ると思います。
しかしながら、ここである疑問が浮かんでくるはずです。
『でも、私は全然話すことが出来ない・・・』
今、このページを読まれているあなたも含めて、殆どの方が中学生レベル以上の語彙力を持っているはずです。でも、実際に『英語を話せますか?』という質問をすれば、こんな答えが返ってきます。
それに、中学生レベルでOKなのであれば、TOEICで800とか900というスコアをとっている人はどうなの?という疑問もあります。こういった人達の実力は中学生どころではないのですが、でもやっぱり話すことが出来ない人が大半です。
大きな矛盾ですよね。
もちろん、これには様々な原因があるのですが、そのなかの一つに『理解度の深さ』というものがあります。どういうことかというと、一つの単語に対する理解度が不十分ということです。
辞書があれば、開いて頂きたいのですが、重要な単語の横には星印がついています。一ツ星から三ツ星まで重要度に応じてついていますが、中学生レベルの単語だと、三ツ星、もしくは二ツ星だと思います。
ここで、星印がついている単語をひいてみましょう。
例えば、『make』という単語です。誰でも知っている『作る』という意味を持つ三ツ星の単語です。ところが、辞書をよくみるとわかりますが、この単語には様々な意味があります。20ぐらいの意味があります。
それにイディオムをあわせれば、かなりの量ですが、これらを全部理解して、初めて『make』という単語を理解したことになります。
実際に、これらの意味は殆ど全て日常会話で使われています。他の単語でも同様です。カンタンな単語であればあるほど、様々な意味で使われています。ところが、殆どの人が単語の意味を一つや二つ理解しただけで、満足してしまいます。要するに理解度が浅いということです。
これは受験英語の弊害だと思いますが、日本であれば『make=作る』でOKだけど、実際に英語圏の社会へいけば、それだけではダメなんだよということです。
こんな単語は知っているよ、というものほど、実は意外な意味を持っており、しかも普通に使われていたりします。
中学生レベルの単語で十分というと、非常に少ないと感じるかもしれませんが、それは、私達日本人が一つの単語につき、一つや二つの意味しか理解していないからです。
実際には、日本人が考えている以上に覚えることがあります。日本人でTOEIC900というスコアを持っている人とネイティブの小学生。知っている単語の数を比較すれば前者のほうが上だと思います。
しかし、理解している単語の意味の数を比較すれば、ネイティブの小学生の足元にも及ばないと思います。
もし、英語を話せるようになりたいというのであれば、単語を数多く覚えるのではなく、一つの単語を徹底的に理解するほうが近道です。
そして、これはそれほど難しいことではありません。意味が幾つあっても、ある程度共通性はありますし、難しい単語を覚えるより、遥かにカンタンです。辞書をひけば、それぞれの意味に関して、例文が一つは載っているはずです。その例文を覚えるようにすればそれほど、苦労せずにクリアできると思います。
こうやって、単語に対する理解度を深めていけば、会話能力は格段にあがります。ややこしい単語なんかいらないということも実感出来ます。ぜひ、取り組んでみてください。
ただし、単語の意味を丸暗記しようとするのは止めたほうがいいです。間違いなく混乱して覚えられないと思います。フレーズで覚えるということを頭に入れておいてください。