このページでは交渉やMTGでのやりとりをネイティブとスムーズに行えるように、リスニング・スピーキングスキルを上達させるための勉強法についてお伝えしていきます。
ビジネスメールやビジネス文書を書けるようにライティングスキルを伸ばしたいと考えている人はこちらのページを参考にしてください。
●ビジネスメールや文書の書き方を学びたい人向け
ビジネス英語勉強法:ライティングスキル
『会議のとき、うまく聞き取れなかったので、質問をしたかったが、できなかった』
『プレゼンテーションを聞いていても、要点がわからず困った』
『商談のとき、意思の疎通がうまく出来ず、まとまらなかった』
こんな悩みを抱えている人は少なくないと思います。私も外資系企業に勤務していた時、ネイティブと直接意思疎通を図ることが、最も緊張しました。
メールであれば、時間をかけてゆっくり考えることが出来ます。分からない言葉があれば調べることも出来ますが、会議や商談というのは、待ったなしです。リアルタイムでやりとりを進めるというのは大変でした。
この悩みを解消するには、どうすればいいのか?
ここで重要なのは、一般的に広く行われているような英語の学習方法に取り組むだけでは、こういった問題は解決されないということです。
ビジネス英語というのは英語学習のなかの一つのジャンルとなっており、本屋さんにいけば参考書や問題集がたくさんあります。
恐らく、このページを読まれているあなたも1冊や2冊は読んだことがあるのではと思います。もしかしたら、何十冊と読まれているかもしれないですね。
多くの方がこんなふうに勉強されていると思いますが、それでも仕事上で英語が壁になっているという悩みが解消されない方も少なくないでしょう。
それは、従来の勉強法では足りない点があるからです。
日本の場合、語学学習というと、知識の習得に重点がおかれています。
ビジネス英語というジャンルの参考書や問題集でも、ビジネスシーンで使うフレーズを覚えるというようなことが中心となっています。
こういった知識を習得することも大切なので、やるべきことなのですが、これだけではダメです。
私自身、英語を使って仕事をしていた時に痛感していたのですが、知識という点ではある程度の語彙力があれば、どうにかなります。
それそれよりも大切なことは瞬発力です。
ビジネスの現場では、相手が言っていることをその場で瞬時に理解・判断をして、さらに必要であれば、相手に自分の意思を伝えるということまで一連の流れとして実行しなければいけません。
これらのことを語学力が不十分な状態でも、こなさなければいけないのです。
そのためには、『的確に話のポイントを聴き取る能力』、『聴き取った情報を瞬時に的確に理解・判断する能力』、『それに対する自分の意思を表現する能力』の3つのスキルが必要です。
日本語と同じように英語も話せるというような人であれば、わざわざこんなスキルを学ばなくても構わないのですが、そのレベルにたどり着くまでは大変です。
語学力そのものを鍛えて、日本語と同じように英語を話せるようになるより、こういったスキルを身に付けて、不十分な語学力でも、ビジネス上のコミュニケーションが出来るようになるほうが近道です。
そのための学習法ですが、英語のニュースを聴いて、ポイントとなる単語だけを抜き出すというトレーニングがオススメです。
経済、ビジネス関連のニュースを題材にします。特に、自分と同じ業界関連のものなど、そのニュースの背景が分かるものがいいです。
たとえば、こんな感じです。CNNからニュースの一文を抜き出してみました。
ここでポイントだけを聴き取ります。
(このニュースを聴いていると仮定しながら読み進めてください。)
基本的にポイントとなる言葉は名詞と動詞なので、ここに注目します。
A $20 billion deal to combine Delta Air Lines and Northwest Airlines was in "serious jeopardy" late Tuesday because the pilots unions from both companies were unable to reach an agreement on blending their seniority lists, two people close to talks told The Associated Press.
Talk of airline consolidation has heightened in recent months amid high fuel prices, which are eating profits.
The people said the pilots unions have agreed on a comprehensive joint contract, but they are unable to agree to how seniority for the 12,000 pilots would work under a combined carrier. The people asked not to be named because of the sensitive stage of the talks.
They said that the pilot talks were expected to continue Wednesday, but if no agreement is reached, the combination of the two airlines would be in "serious jeopardy."
デルタ航空とノースウエストエアラインの合併に、両者のパイロット組合が難色を示していて、うまくいっていないというようなニュースです。
このニュースを聴いたとき、『Delta』、『Northwest』という単語で、航空会社関連の話なんだなということは理解できます。
また、『pilot union』、『unable to reach』というようなことがあれば、パイロットの組合と、何かうまくいっていないことがあるのかなと推測できます。
『consolidation』というコトバがわかれば、瞬時に合併の話ということが分かりますし、ここまでの流れで合併話があって、それに組合が反対しているのでは?というようなことが推測できます。
こんなふうにして、核となる言葉から全体の流れを推測出来るようになるのがトレーニングの目的です。
結果的に少しくらい間違ってもOKです。実際のビジネスシーンでは、もっと簡単だからです。会議や交渉の時には、事前に内容や状況に関する情報が入ってきます。
上記のニュースの例でいえば、合併話が進んでいて、パイロット組合と調整中ぐらいのことは既に耳に入っているはずです。
そのうえで話を聴くわけですから、論点も『合併がうまくいくのか、行かないのか?』ということになりますし、そこだけに注意して聞けばいいわけです。
そう考えると、かなり楽になりませんか?
これは慣れの問題なので、ポイントだけを聴き取ることを意識する癖をつけるようにすれば大丈夫です。
ただ、英文を全て聴きとり、理解するという従来の英語学習法とは全く異なるやりかたなので、慣れている人にとっては最初は苦労すると思います。
また、ある意味特殊スキルでもあるので、そういった意味では、最初はキチンとしたカリキュラムに沿って学んだほうが近道かもしれません。
個人的にオススメするのは、アルクの通信講座『ヒアリングマラソンビジネス』です。
ここまでお話してきた『ポイントを聴きとって瞬時に相手の意図を理解する』というスキルを磨くことに特化しています。
特に、英語を聴いて要点を抜き出すという点については、それが議事録やレポートをまとめるというアウトプットに結びつくことを前提としたやりかたとなっているので、すぐに役立つはずです。
ここまでしっかりした書籍や教材はほかには見たことがありません。受講料は約3万円。新しいスキルを学ぶという意味では投資価値は十分にあると考えて間違いなしです。
最後に、こういったスキルはこれだけでは役に立ちません。基礎的な語学力があってこそ生きるものです。ですから、従来の知識を習得するということも同時進行で実行するようにしましょう。