介護業界で高収入を得るために、英語が武器になる時代がくるかも?

ご存じの方も多いかもしれませんが、介護というのは、働く人の給与水準が低い業界です。極めて、重要度が高い仕事であることを考えると、おかしいと感じてしまうかもしれませんが、今現在でも、介護保険制度の運用が厳しくなっており、国は介護報酬の削減に目を向けています。

 

介護業界で高収入を得るために、英語が武器になる時代がくるかも?

 

そのため、今後も、介護職の給与が劇的に上がることは考えにくい状況です。だからといって、手をこまねいているだけでは、何にもなりません。どうにかして、少しでも、収入を上げるための施策に取り組みたいところです。

 

そこで、英語が一つの突破口になってくるかもしれないというのが、今回のお話です。病院など、医療施設では、外国人患者の受け入れに積極的なところが増えてきています。これは、日本に在住している外国人ではなく、海外に住んでいる外国人をターゲットにしているという意味です。

 

治療目的に、日本に来てもらうということですが、日本の医療技術は世界的にも、高い評価を受けており、信頼性が高いので、特に中国や香港、シンガポールなど、アジアの富裕層をターゲットにした医療ビジネスというのは、今後の大きな成長産業として期待されています。

 

そこで、先進的な考えを持つ病院だと、実際に海外からの患者受け入れに舵を取っています。日本語を話せない人が対象となりますから、ここで外国語のスキルが必須となり、英語や中国語が出来る医師、看護師の重要性がアップしています。

 

特に、看護師の場合、英語とは無縁の職業なので、学生時代に勉強したっきりで、全部忘れているといった人が大半です。そのため、英語が話せるというのは、仕事に就くうえで、大きな武器となっています。

 

まだまだ、こういった病院が限られているので、求人自体は決して多いわけでなく、また、東京など、一部の都市に限られていますが、仕事があれば、給与は、確実に、普通の看護師の2~3割増しになります。今後、この傾向が強まることはあっても、弱まることはないでしょう。

 

介護業界の国際化

では、介護の世界はどうなのかと言えば、ある意味では、医療業界よりも国際化が進んでいます。最大の理由は、大手介護事業者のなかには、海外での事業展開を積極的に進めている企業が少なくないためです。

 

アジアの富裕層というのは、とてつもない資産を持っているうえ、日本の高品質サービスを愛好する傾向が強く、日本国内で培われた介護施設のノウハウを現地で展開することで、利用者を獲得することが出来ると考えられています。

 

富裕層向けなので、当然、施設は豪華ですし、そこに働くスタッフの給与水準も高めです。そして、どの施設でも、運営・管理の中核を担うのは日本人であり、日本から海外赴任という形で、現地に派遣されています。

 

商社マンなどをイメージして頂ければ分かりますが、海外勤務というのは、高給与です。給与水準は日本国内と同等なうえに、かつ駐在手当がプラスされます。また、住宅の提供など、現地における生活費も支給されることになるので、これらも所得と考えると、収入が日本で働く時の倍近くになることも珍しくありません。

 

こういった待遇は介護業界でも一緒です。経験を積み重ねている介護のプロで、語学も出来るという人は少ないので、他の業種以上に優遇されるという側面もあります。

 

また、医療施設と同じように、介護施設においても、今後は海外からの利用者受け入れを始める施設が出てくることが確実であり、こういった施設においても、英語が出来る介護士に対する需要が高くなる可能性が大です。

 

現時点では、まだまだごく一部の限られた話ですが、今後は拡大していくことが間違いありません。それも、遠い将来の話ではなく、ここ数年で現実になるような、非常に近い話です。それを見越して、今から英語の勉強をしていくというのは、良い投資と言えます。

 

補足)
介護関連の求人情報サイトなどを定期的にチェックしていくと、このあたりの傾向がハッキリと掴めると思います。

 

介護スタッフが英語を学ぶ方法

介護の世界において、本気で英語を武器にしていくのであれば、日常英会話に加えて、介護の業界用語・専門用語も英語で理解出来るように、勉強する必要があります。二つの勉強を同時並行で進める必要があるということですね。

 

日常英会話については、参考書や書籍、英会話教材がたくさん出ていますし、英会話スクールもあるので、勉強する場所には困りません。自分に合った方法で勉強するようにしてください。

 

もし、英語が全く出来なくて、どんなふうに勉強していいのか分からないという人は、日本人が講師を務める塾やスクールに通うことをオススメします。

 

英語の勉強自体は、独学で出来るので、必ずしもスクールに通う必要はないのですが、日本人講師であれば、どんなふうに英語学習を進めていけばいいのか、勉強法に関してアドバイスを受けることが出来ます。

 

これは、何も分からない初心者にとっては、かなり助かることなので、英語を学ぶというよりも、英語の勉強法を知るためにスクールに通うという感覚で受講するといいです。講師の位置付けも、英語を教えてもらう人というのではなく、勉強法に関するアドバイスをしてもらう人というふうに捉えると、いいと思います。

 

一方、介護関連の専門用語の学び方については、現時点においては、数少ない参考書を利用するのが、唯一の方法となります。『介護のための英語』、『外国人のための看護・介護用語集』、『福祉・介護・リハビリ英語小事典』などが、比較的有名です。

介護スタッフが英語を学ぶ時に参考になる書籍