英語を勉強する人が一番苦労するのは、日本語を直訳するだけではダメということなのではと思います。これだけだと何を言っているのかよく分からないかもしれないので、一つ例をあげたいと思います。

 

昨日、私が実際に体験した例です。

 

数日前にメルマガのあとがきでも触れましたが、今週からNHKのラジオ講座『ビジネス英会話』を聴いています。そのなかのフレーズです。

 

まず、こんな文章が出てきました。

 

 ●顧客訪問はスケジュールに組み込まれていました

The client visits were on the schedule.

 

『顧客訪問』という日本語が英語だと『client visits』と
なるというのがポイントです。

 

そのあと、同じページのなかで、こんな文章が出てきました。

 

 ●彼は顧客訪問を強く望んでいた

 

このとき、あなたでしたらどんなふうに英語で表現するでしょうか?

 

まず頭に思い浮かんだのは『client visits』という一言ではないでしょうか?

 

実際に、前のフレーズではそう使われているので、それが自然です。ですから、『client visits』をベースに英文を考えることになります。

 

私もそうだったのですが、これだと、どこかしっくりきません。

 

『希望する』という意味を表現する英語としては『desire』、『hope』、『wish』などが頭に浮かぶので、こういった単語を組み合わせてみます。

 

そうすると『He desired the client visits.』というような英文を作ることが出来ますが、どこか堅い文章です。

 

そこで、テキストの文章を見ると、こんな英文が載っていました。

 

『He really wanted to visit clients.』

 

とてもシンプルで分かりやすいフレーズですし、とても自然です。ポイントは、『顧客訪問』という日本語が、このケースでは『顧客を訪問する』という形になっているということです。

 

日本語を英語に直すときに、こんな体験をすることってないでしょうか?

 

日本語にひっかかってしまうと言えばいいのか、英語をわかっていないと言えばいいのか、ともかく英語の感覚が身についていないことが原因であると思います。

 

ですから、こういったことは英語の感覚を身につければ解消されるわけですが、問題はその方法です。少しでも多く英語に触れるというのが一番なのですが、なかなかそういった時間をとることが出来ない人にオススメするのが、こういった例を自分でまとめておくことです。

 

例えば、今回であればこんなふうにします。

 

1.顧客訪問はスケジュールに組み込まれていました

The client visits were on the schedule.

 

2.彼は顧客訪問を強く望んでいた
He really wanted to visit clients.

 

この二つのフレーズをセットにして、ひとまとめにしておきます。そして、この二つをひとまとめにして暗記します。何度も口に出して覚えるのがポイントです。

 

それを何度も繰り返していると、同じ『顧客訪問』というコトバでも、英語に直すときには状況に応じて、『client visits』、『visit client』を使い分けられるようになります。

 

ここで英語の面倒なところは、こうやって覚えたパターンが他の単語でも通用するかというと、そうでもないということです。

 

つまり、こういったことはケースバイケースで、常に新しいことを覚え続けていかなくてはなりません。ここがやっかりなのですが、地道に続けていくと、だんだん日本語を英語らしい英語に直すことが得意になってきますので、気長に続けてみてください。

 

必ず効果を実感出来るようになるはずです。