先週、私はラスベガスで開催されたSEMA SHOWというモーターショーを観に行ってきました。自動車のパーツ(オーディオやカーナビ、タイヤのホイールなどです)を扱う業者さんとバイヤーが世界中から集まってくる、かなり大きなショーです。

 

私の友人が車の輸出や輸入を仕事にしているので、そのお供で行ったのですが、日本からもかなりの人が来ているようで、あちこちで日本語を聴くことができました。

 

そんなこんなで、ブースを見て歩くわけですが、相手は売り込みたいわけですから、積極的に声をかけてきますし、こちらも興味がある商品があれば、声をかけて、説明してもらいます。

 

こんな感じで会場を歩き回っていたのですが、ある業者さんと話を終えると、すぐに別の業者さんに話しかけられるということが数回ありました。売り込みをするのではなく、日本語を教えてというふうにです。

 

話を聞くと、別の日本人と話をしていたようなのですが、どうしても英語で通じないコトバがあって、それを日本語で何と言うのか教えてほしいということでした。

 

車関係の専門用語なので、分からないのも無理はないのですが、ビジネスなのでそんなことは言っていられない。相手が英語をわからないのであれば、こちらで日本語を覚えておこうということのようです。このあたりの熱心さには頭が下がります。

 

ところで、ここで面白いことがあります。『なんで、私に声をかけたの?』と聞くと、全員が『英語を流暢に話していたから』と答えます。でも、実は私はそのショーのなかで殆ど英語を話していません

 

もともと、私は相手の説明を聞く立場なので、簡単な自己紹介と時折入れる質問を除けば、ひたすら相手の話を聞いて、メモをとっていただけです。

 

正直に言うと、私は英語を話す力はかなり衰えているので、テンポを落とさないと言葉が口から出てきません。ですからかなりたどたどしく聴こえるはずです。お世辞にも流暢とは言えません。

 

でも、周りの人は真剣に、私が流暢な英語を話せると思い込んでいるようですが、それには思い当たる理由があります。今回のコラムのタイトルにも通じるのですが、その理由は相手の話をほぼ完璧に理解出来るからです。

 

これは留学時代にも経験したことなのですが、殆どの人が自分の話を理解してくれる人に出会ったとき、『英語がうまいね』と言います。

 

逆に、自分の言いたいことはどんどん言うけど、相手の話を聴くのは苦手という人に対して、『英語がうまい』という評価をすることは、ほぼありませんでした。

 

英語が上手いというのは、英語で会話が出来る、コミュニケーションがとれるということですが、人は誰でも自分が伝えたいことを相手に伝えられたとき、コミュニケーションがとれたと感じるものです。

 

誰でも、自分の話を聞いてほしいと思っていますから、そんな相手に対しては、自然に良い評価を与えてしまうのでしょう。

 

これを英会話ということで考えると、とにかくリスニングの能力を鍛えましょうということです。相手の話さえ分かれば会話なんて、どうにかなるものです。

 

今回のショーでも、私は『これって、英語でどう言うんだっけ?』というケースが多々あったのですが、ジェスチャーを交えながら『ほら、こういうやつ!』みたいに話をすると、相手が勝手に理解してくれました。

 

逆に、相手の言っていることが分からないと、すっかりお手上げです。相手も自分の言いたいことを伝えられないと、『コイツはダメだ』とけっこう、あっさり諦めてしまいます。

 

それだけ、相手の話を理解することが重要であるということです。

もちろん、スピーキングもこなせれば言うことなしですが、最初からそんなレベルを目指すのは大変なので、とりあえずリスニングを重点的にやるのは一つの方法です。

 

今なら、DVDなんかを活用すれば、手加減なしの英語もがんがん聞けますし、リスニングを鍛える環境としては日本は悪くないです。自分のペースで出来ますし、好きな映画などをピックアップすれば、楽しく出来ます。

 

私がオススメできる方法ですね。