英語を読むということに関して、多くの日本人学習者が直面する悩みの1つといえば、『読むスピードが遅い』ということでしょう。
TOEICを受けたとき、読解問題の量が多すぎて、時間内に全て回答することが出来ず愕然としたというのは、よく聞く話です。半分も読めなかったなんてケースも珍しくありません。
英語を道具として実践的に使うことを考えた場合でも、新聞を読むのに1日かかるといったようでは、サッパリ使い物になりません。日本語と同じとまでは言わなくても、それに近いスピードが無くては実践の場ではダメでしょう。
ここは、スピードをあげるためのトレーニングを意識的に行わない限り、そうは改善されません。
昔、私が留学したときの経験談なのですが、当時のTOEFLで600近いスコア(TOEIC換算だと900以上)を獲得して、特にリーディングセクションについては、ほぼパーフェクトで『英語を読むことだけは絶対大丈夫』と自信を持って、アメリカに行きました。
でも、大学のオリエンテーションが始まった段階で顔が青ざめました。
授業のノルマをこなすために、毎週、読破しなければいけない英文の量は、本に換算すると20冊分ぐらいだったのですが、当時の私は、1時間かけて20ページぐらい読める程度。
日本人の英語学習者でいえば、1時間20ページというのは、決して少なくない量ですし(日本ではスゴイと褒められていました)、TOEICやTOEFLなんて時間が余ったぐらいなのですが、でも現実の場では、それでは全然通用しないということで、かなり慌てました。
それで何とかしようとしたのですが、今思うと、そもそも英語の読み方が間違っていたので、スピードをあげるにも限度があり苦労しました。キチンとやりかたを身につけなければダメということです。
自分自身の経験から言えることは、英語を速く読めるようにしようとすれば、2つのことを必ず、出来るようにならなければいけません。
たとえば、こんな英文があるとします。
Local workers didn’t know whether the president would visit the factory or not.
日本語に翻訳すると『地元の従業員は社長が工場を訪れるかどうか知らなかった』という意味になります。
日本語の順番に英語を置き換えると、こんな感じです
↓
Local workers
whether the president would visit the factory or not.
didn’t know
単語を1つずつ日本語に翻訳して・・・というやりかたで読もうとすると、上記のような語順で理解することになるので、英文を最後まで読んで、そのあと、さらに前に戻るという作業が必要になります。
中学、高校の授業では、こんなふうに教わったという人は少なくないとと思いますが、これではスピードが遅くなってしまいます。
ちなみに余談ですが、こんなふうに英文を理解していると、リスニングにも支障をきたします。TOEICの問題を例にすると、耳に入ってきた英文を理解するまでに時間がかかってしまい、その間に次の文章が読まれて・・・ということになるからです。
当然、実際にネイティブと会話をする時も、自然な会話のスピードにはついていけません。
話を戻すと、読むスピードをあげるには、『地元の従業員は知らなかった』→『社長が工場を訪れるかどうかということを』というふうに、英語の語順に沿って、そのまま理解できるようになることが必須です。
そのためには、英文を単語単位ではなく、ブロック単位で読めるようになることが前提条件となります。
上記の英文でいえば、『Local workers didn’t know』という部分を一度に見て、『地元の従業員は知らなかった』という意味であることを理解する。
その後、『whether the president would visit the factory or not.』という部分を見て、『社長が工場を訪れるかどうかということを』という意味だと判断します。
これをつなげて、この英文は『地元の従業員は社長が工場を訪れるかどうか知らなかった』という意味だと理解するという流れです。
この二点を意識して読む癖をつけて慣れてくれば、わざわざ日本語に翻訳しなくても、意味を理解できるようにもなってきます。英文を英語のまま理解するというものですね。
この読み方を実践するには、英文をどんなブロックに分ければいいのか、的確に判断するスキルが必要です。
とはいっても、決して難しくはありません。
because、after、when、and、butといった接続詞、that、whoといった関係代名詞などを1つの区切りにすれば、うまくブロックに分けることができます。
ここに、SVOCといった英語の文型に対する理解が加われば、さらにうまく出来るようになります。このあたりは知識を身につけて、トレーニングすれば、短期間でマスターできるはずです。
学習方法なのですが、基礎力がある人であれば、上記の二点を意識しながら、英文を読むだけで大丈夫だと思います。自然に出来るようになるはずです。
試してみたけど、うまく出来ないという人は書籍や教材を使うことになります。オススメ本としては、下記のものがいいです。
ただ、私は『英文を速く読む』ことをテーマにした本は殆ど読んだことがありません。(アメリカにいたとき、あちらの本で勉強したから、日本の書籍については、よく分かりません。)
この本は、たまたま目を通したことがあって、いいなと思ったのでオススメとしていますが、本屋さんにいけば、ほかにも色々とみつかると思います。ぜひ、ご自身でいい本を探してみてください。
教材に関しては、下記の通信講座がオススメです。
書籍と比較して、内容が決め細かいこと、分からないところをメールで質問できることがオススメの理由です。基礎からキッチリ学ぶというタイプの教材なので、上記のような本を使っても理解度がイマイチという人、独学で学ぶ自信が無いという人向けの教材です。
初心者向けですね。
(内容のきめ細やかさと一言で表現してしまっていますが、ここは本当に細かく、ジックリという感じで、説明も細かくて、極めて分かりやすいです。)
サンプルとして、幾つかのカリキュラムをサンプルとして無料で入手できるので、興味がある人は請求してみることをオススメします。
ちなみに、単語の意味が理解できなければ、英文を読むことは出来ないので、語彙力もポイントになります。英文を速く読むトレーニングをしようとしても、語彙力がなさ過ぎると、全然勉強にならないというケースもあり得ます。
ところが、『英語真っすぐリーディング講座』の場合、使用されている単語のレベルが易しいので、語彙力のことは気にせず勉強出来るので、そういった意味でも初心者向けです。
ただし、いずれにしても、語彙力が必要になってくるので、ここも同時に鍛えるようにしましょう。特にTOEICや市販の参考書の練習問題で、1つの英文に分からない単語が必ず5個以上あるというような人の場合、語彙力をアップさせない限り、読むスピードもあがらないでしょう。