私の留学時代、大学の寮に住んでいたときのお話です。寮にはカフェテリアがついていて、そこでいつも、バイキングスタイルの食事が出ていました。大学のパンフレットにはマリオット・ホテルという一流ホテルで修行中のシェフが作ってくれる、お味抜群の食事というふうに書いてあったのですが、実際に食べてみると・・・・・
ただ、このレストランに対する反応にお国柄が出ていて、とても面白いんです。
まず、私も含め日本人ですが、「まずい」・「味が大雑把」・「脂っこい」と不評でした。実際にそんな感じです。毎日、似たような味付けの同じようなメニューが出るわけですから、確実に飽きます。しかも、味付けも濃いですし、しつこさも格別ですから、日本人にはかなりキツイです。
ちなみに私は、それまで肉しか食べない人間だったのですが、アメリカに行って初めて野菜を食べるようになりました。あまりにも脂っこいので、肉なんて嫌になってくるからです。
アメリカに行くときは、「毎日、肉ばっかり食べれるぞ」と喜んでいたのですが。まあ、健康的な食習慣が出来たのでマルです。そういえば、私の周りの日本人は「アメリカへきて痩せた」とみんな言っていたなあ。
そんなこんなで、日本人はまず3ヶ月以内にはこの味にギブアップしていました。アジアの人達は大抵こんな感じでしたね。そして、皆3ヶ月で寮を出ることになります。理由は「自炊したいから」です。(笑)
こんな日本人と対照的なのが、アメリカ人です。このカフェの料理を満足げに食べます。中には「こんな美味しいものを毎日食べれる大学にこれてよかった」という友人までいました。
普段、家では何を食べているんだ?と不思議に感じたものです。私の通っていた大学は中東やアフリカからの留学生が多かったのですが、彼らも味覚はアメリカ人でした。
そして、独特の存在感をカフェで見せ付けていたのが中国人です。何が独特かというと、彼らはバイキングにある料理を利用して、別の料理を自分達で作ってしまうのです。
例えば、ライスとサラダに肉を混ぜてチャーハンを作ってしまいます。サラダがマリネ風でえびやいかなどが入っていれば、即座に海鮮チャーハンに様変わりです。しかも、バイキングに置いてあるナイフを使って食材を切り刻み、ホットプレート用の台を利用して炒めてしまうのです。
彼らが料理を始めると、いいにおいがカフェを占領し、周りには興味を惹かれた学生が集まりだし、おこぼれをもらいはじめます。私も食べさせてもらったことがあるのですが、とても美味しかったです。
さすが、中国人は生命力が強いと納得させられました。カフェから苦情が出ないのか不安でしたが、どうぞご勝手にといった感じでした。さすが、アメリカ、おおらかでしたね。
こんな風に日常生活になると、国民性が出て面白かったですね。