私が留学していたカリフォルニアは、みなさんご存知のとおり、日系人が多く住んでいます。日本からの留学生もいっぱいいます。ですから、必然的に和食を食べられる店が多くなります。変にアメリカナイズされた変な日本料理屋ではなく、日本人が作る普通の和食が食べれるお店です。

 

和食がヘルシーであるというのは世界中に知れ渡っているのでどんな国の人でも和食を食べにいきたがります。私もよく友達を引き連れて食べにいきました。

 

そんなある日の出来事です。いつものように友達と一緒に和食を食べにいきました。8人ぐらいで行ったのですが、そのうち日本人は私一人だけです。みんな、もともと和食フリークなので、箸の使い方など上手なものです。大きな手で器用に使っています。

 

そこで、ふと気づけば私だけがフォークとナイフを使っていました。アメリカですので、必ず箸とナイフ・フォークが用意されるのですが、そのグループの中でナイフ・フォークを使っているのはなんと私だけだったのです。

 

よくわからないのですが、私は昔から箸を使うよりナイフ・フォークのほうが使い勝手がよく、好んで使っていました。そのため、アメリカで和食を食べながら、外国人が箸を使い、日本人がナイフとフォークを使うというあべこべが実現してしまいました。

 

それをみつけた友達が早速つっこみを開始します。「この中で日本人って誰だっけ?」、「あれ、日本人じゃなかったけ?」、「ねえ、本当に日本人なの?」など言われ放題でした。

 

私はとりあえず、「自信なくなってきた」とか「今度、親に聞いてみる」とか適当に答えておいたのですが、ふとこれなら黙らせられると思い「日本人だよ。だって納豆とわさび入りの寿司が食べられるから」とカウンターパンチを浴びせます。このふたつだけは外国人ってダメなんですよね。

 

ただ、そのうち「納豆大好き」とか「わさび抜きの寿司は味気ない」などとのたまう友人も出てきて通用しなくなってしまいました。

 

その頃、私はアメリカのハンバーグにはまってしまい(元々ハンバーグが好きだったのですがアメリカはやっぱりおいしんですよ)ハンバーグセットやハンバーガーを食べまくっていました。そんなわけで、食習慣については誰が何人だかさっぱりわからない状態となってしまいました。