外国語を習得するという観点で見た時、日本人は英語を話すというトレーニングが圧倒的に欠けています。これは致命的なことなのではと思います。
プールに入って泳ぐ練習をしなければ、泳げるようにはならないのと一緒で、言葉も話す練習をしなければ、話せるようにはなりません。文法知識を覚える、語彙力を鍛えるといった昔から日本で主流となっている英語の勉強法も重要なのですが、それにプラスして話すトレーニングをしなかったら、いつまでも英会話が身に付くことはないでしょう。
それだけでなく、一人の英語学習者としての実感なのですが、英語を話すという練習はリスニングやリーディングといった、一見英会話とは全く関係のないようなスキルの向上にもプラスになります。
脳は情報を何度も入れ込むよりも、その情報を何度も使ってみることで、長期間安定して情報を保存することができるという理論があります。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/nba/20080402/152046/?P=1
英会話に当てはめてみれば話せば話すほど、覚えた英語の知識に対する理解が深まるということです。個人的な経験からも納得です。
一応、こうやって言葉で説明しましたが、論より証拠で、これまで英語を話す機会がなかった人は、数回でいいので、英語を話す機会を設けてみると、どれだけ役立つか実感出来るはずです。
特に(学校の勉強も含めて)、今まで数年間ずっと英語を勉強してきたといった人であれば、持っている知識量がスゴイので、英語を話すことで、飛躍的に自分の語学力がアップすることが分かるはずです。
英会話の実践は英語を習得するうえで絶対にオススメのトレーニング方法です。
英会話レッスンでは意味がない
ただし、ここで注意すべきことは、英会話スクールのレッスンを受けても、あまり意味がないということです。型が決まったレッスンでは、あまり頭を使うことにはならないからです。
フリートークのほうが、緊張感があって頭を使います。英語の知識がない人がフリートークをしても上達しないという意見もありますが、私の意見は違います。
少ない知識であったとしても、自分が知っていることを最大限に駆使してコミュニケーションを取ろうとする作業がもっとも頭を使うことであり、最高の英語のトレーニングとなるからです。
中学校で習う英語でも、知識量は相当なものになります。その知識をフル活用することが出来れば、それなりの会話は出来ます。活用するトレーニングをしていないからこそ、日本人は英会話が苦手なわけです。
英語が話せないから知識を増やそうというのは、合っているようでいてピント外れでもあります。話せないのであれば、話すためのトレーニングをするのが最優先です。
それをしないのは、野球が下手だからといって、ひたすら走り込みや筋トレをするようなものです。それも大切ですが、捕球やバッティング練習といった野球の技術を上達させるための練習をするのが第一です。
英会話もそれと一緒です。
英語を話す機会を設けるにはどうすればいいのか?
英語を話すトレーニングとして最適なのはフリートークです。要はスクールのレッスンといったものではなく、実際に会話する機会を作りましょうということです。
今の日本であれば、英語を話す機会は簡単に作ることができます。東京や大阪といった大きな街であれば、バイト代わりで英語を教えますといったネイティブをみつけるのは簡単です。大学や市役所・図書館の掲示板などに募集の張り紙があったりしますが、1時間2000、3000円ぐらいで済むので、そういった人と契約して、カフェなどで定期的に話すようにすれば十分です。
インターネットで検索すれば、英会話サークルやフリートークを中心とした英会話スクールの情報なども出てきますので、そういったところを利用するのもアリです。
自分が住んでいる街が地方で、そういった場所がなく、ネイティブと知り合う機会も少ないという人であれば、オンライン英会話レッスンの活用がオススメです。
オンライン英会話レッスンというのは、インターネット電話のスカイプを利用した英会話レッスンで、インターネットに接続する環境にあれば、場所を選ばず利用することが出来ます。
通常の英会話レッスンと比べても、レッスン料が安めなので気軽に利用できます。
AYS ENGLISH、ぐんぐん英会話といったオンラインレッスンであれば、日本語のサポートがついているので、スタッフと相談しながら自分の望むようにレッスン内容を構成することが可能です。
ただ、個人的意見としては、同じ街に住んでいるネイティブを会話相手にするというのが一番です。共通項が多いため、世間話がしやすく(どこどこのお店がオイシイなど)、会話のネタに困らないので、フリートークがしやすいからです。
それと比較するとオンライン英会話レッスンというのは次善の策ということになりますが、全く英会話の機会がないよりも遙かにいいので、地元で相手を見つけられない人は是非取り入れてみてください。
いずれにしても英語を話す機会は日本であれば簡単に作れます。定期的に英語を話す機会を作れば、語学力はどんどんアップしていきますので、本気で英語を習得したい人は絶対に会話の機会を設けましょう。
最後に当たり前ですが、知識を増やす勉強も重要です。今回の話は普通の勉強を軽視するものではなく、より学習効果を高める手段として英会話のトレーニングも取り入れようということです。知識を増やす勉強をしなかったら、やっぱり英語の力は伸びないので、そこは勘違いしないでください。