これはたびたび紹介している私の考え方なのですが、英会話をマスターするためにとても大切なもの、それは目的だと考えています。私は目的意識の大切さを実体験から学びました。

 

私はもともと、英語が苦手な人間でした。中学・高校とさっぱり理解できず、成績も下から数えたほうが早いほど。大学の受験勉強のおかげでなんとか人並みになったかなというぐらいでした。高校3年のとき、英検3級をとったと言えば、実力がわかると思います。

 

そんな私が英会話を話せるようになったきっかけは、大学3年のとき、アメリカへ留学しようと思ったことでした。実は、これ自体もたいした理由はありませんでした。

 

そろそろ就職活動を始めるという時期に、どんな仕事をしたいというはっきりした意思のなかった私は、どうせならと思い、子供の頃から一度はやってみたいと思っていた海外で暮らすことにチャレンジしてみようというだけでした。

 

ですから、最初は語学留学でいいかぐらいの気持ちだったのですが、当時は景気が悪くなり、就職先を見つけるのも厳しくなってきたときでした。

 

そんなとき、大学新卒という男性にとって一番就職に有利な条件を蹴ってまでアメリカへ行くということを周囲に納得させるには、語学留学では不十分でした。そんなわけで、結局いつの間にか大学院へ留学することになっていました。(笑)

 

語学留学でもいいかなと考えていたぐらいですから、当然英語は満足に話せません。でも、英語が話せなければ、留学ビザはとれません。というわけで、英語の猛勉強が始まりました。

 

私が英語を本格的に勉強した理由はこれだけです。これだけなのですが、アメリカで暮らしてみたいという憧れは本物でした。ですから、2,3ヶ月間、部屋に閉じこもってひたすら英語と向き合っていたというような無茶なことも喜んでやっていました。

 

これをやれば、子供の頃からの夢が叶うんだと思えば、本当に楽しかったです。

 

実際に留学してからも、アメリカの大学で現地学生に混じって暮らしていると、自分の語学力に満足することがなく、常にブラッシュアップを心がけてきました。そうしているうちに気がついたら、英語を普通に話している自分がいた。そんな感じです。

 

今、振り返ってみると、かなりハードな勉強を重ねていました。もともと、忍耐力のない自分がよくあそこまで出来たなと不思議に思います。

 

自分でも驚くぐらいのことが出来たのは、やはり「アメリカで暮らしてみたい」という小さな頃の夢でした。それが、私の原動力でした。

 

ここで、私が言いたいことは、「なぜ、英語を話せるようになりたいのか?」というキチンとした理由づけがないと、学習を続けていくことはできないなということです。

 

実際に、私は逆体験もしました。英語を話せるようになった私は調子にのって、違う外国語をマスターしようと思いました。理由はありません。ただ、なんとなく「話せたらカッコイイかな」ぐらいの気持ちでした。

 

その結果は散々でした。フランス語やスペイン語に手を出したのですが、これらは英語に近い言語で、難易度としては英語よりカンタンでした。正直な話、本気でやれば一年ぐらいで日常会話に困らないぐらいのレベルにはなれると思います。それぐらい、楽な印象を受けました。

 

でも、結果的には挫折しました。一ヵ月後に気づいていたら、きれいさっぱり勉強をやめていました。理由は簡単です。フランス語やスペイン語を覚えるだけの理由がなかったからです。

 

これが、仕事で必要とか、どうしてもフランスやスペインで生活しなければならないという理由があれば、違ったと思いますが、なんとなく始めただけですから、なんとなくやめてしまいました。

 

あなたが英会話をマスターしたいのであれば、その理由をしっかりと自分で把握することです。その理由はどんなものでも構いません。

 

「留学したい」・「仕事で必要」でもいいですし、「映画を英語で観たい」とか「外国人の恋人がほしい」でもOKです。自分にとって真剣なものでさえあれば問題なしです。

 

このメルマガを読んでいて質問をしてくる熱心な方もいるのですが、そういう人達に共通しているのは、外国人の友達がいてもっと会話を交わしたいとか、英語を話せるようになって、会話をしたい人がいるとか、やっぱり何か具体的な理由を持っています。

 

なんとなく英会話の勉強を始めた人でも、実は自分でも気づかない理由があるかもしれません。自分が本気になれる理由があれば、それに気づけば、あなたの上達度は間違いなくアップします。一度、自分を振り返ってみてはどうですか?