ネイティブの友達や恋人をもつのが、英会話をマスターにするために一番良い方法であるというのは、誰もが耳にしたことがあるセリフだと思います。
これは自然なことです。コトバというのは話してナンボですから、身近に英語で会話が出来る人がいるというのは、大きなメリットです。ただ、理論的にはそうですが、現実的に考えた場合「どうなの?」というのが、私の気持です。
「どうなの?」というのは、コトバを覚えることを目的で付き合う人が友人や恋人と言えるの?ということです。
逆の立場で考えてみるとどうでしょう?
ある外国人から友達になって欲しい、あるいは恋人になって欲しいと言われ、あなたも相手に好意を持ち、付き合い始めた。ところが、相手は参考書を片手にあなたに日本語の質問をするばかりで、まともな会話は何一つなし。こんなことになったらどうでしょうか?
相手に好意を持っていればいるほど、傷つきませんか?結局、自分は都合のいい道具でしかなかったんだというふうに・・・
『英語を覚えたいから友達になって』という言い方自体はOKです。それを聞いて、いいよという人もいるはずです。しかし、それはあくまでもきっかけであって、やはり友達になってと言われた以上、相手は言葉を教える以上の関係を期待しているはずです。
万が一、本当に相手が『英語を教えてあげよう』という気持だけで、あなたと付き合い始めたとしても、本当に教えるだけでそれ以上は何も無いということになれば、いい気持はしないでしょう。
あなたが、英語を教わる相手が欲しいのであれば、家庭教師というようなかたちで、ビジネスライクな関係にしておくことです。もちろん、キチンと報酬を支払います。
それをタダで教えてもらおうというような、虫のよい考えは絶対に通用しませんし、あなただけでなく、日本人に対するイメージ自体を悪くすることになりかねません。止めたほうが懸命です。
逆に、外国人の友達がほしいのだけれども、うまく会話をする自信がないという人は、家庭教師というようなかたちで、教えてもらうことをきっかけにしたほうがうまくいくと思います。
コトバを教えてもらうついでに、話かけるきっかけはどうするのか、どんなことを話せばいいのか、なんてことも教えてもらうことも出来ますし、あなたが友達になりたいなという気持で接していれば、すぐに打ち解けられると思います。
日本人に比べれば、どの国の人も、他人とコミュニケーションをとることを大切にしますし、慣れてもいますから、あなたのほうさえそんな気持でいれば、間違いなくうまくいくと思います。
いずれにしても、ネイティブは英語を教えてもらう道具ではないという当たり前のことを、思い出してもらえればと思います。