英語を話せるようになるためにお金を使おうと思えば、幾らでも使えます。でも、ここで考えなくてはいけないのは、お金をかければ英語を話せるようになるのか、ということです。

 

答えはお金を使えばいいというものではありません。私も書籍から英会話スクール・留学まで、ありとあらゆる手段を使ってきましたが、その投資額と効果は決して比例関係ではありませんでした。詳しくはコラム「これを知らないで英語を勉強するつもりですか?」のなかで英語を習得するには、どれくらいお金が必要?というタイトルで取り上げていますので、そちらをどうぞ。

 

ここでは、具体的な教材の選択方法ということに焦点をあててみますが、ポイントとしては教材の値段をみないことです。そして、その教材の質や自分との相性を考慮して、そのうえで購入するかどうか決めるべきです。

 

こうすれば、安いから買ってしまおうとか、高価だから効き目があると思って買ってしまったというようなミスは防げると思います。このへんも英語を習得するには、どれくらいお金が必要?に書いてありますので参考にしてください。

 

でも、これだけでは完璧とはいえません。英会話学習にお金をかけるときに、どうしても考慮して欲しいポイントがあるからです。とても大切なことです。でも、なぜか世間一般では注目されていないことですので、初めて耳にすることかもしれません。でも、重要なことなので、頭の片隅にでも入れておいてほしいですね。

 

お金と時間

語学の学習とは、ある意味、お金を貯めるようなものです。例えば、欲しい車があったとして、それが200万円するとします。殆どの人は200万円というお金をその場でパッと用意することはできないわけですから、200万円を貯めることを目標に毎月少しずつ貯金をしていきます。そして、200万という目標に到達したときに、マイカーという目的を手にすることが出来るわけです。

 

語学の学習も似たようなものです。例えば、あなたの現在のTOEICのスコアが500、目標スコアが730とします。そのためには400時間勉強すればいいそうです。個人差はあるでしょうが、大体の目安としては、これぐらいかかるということです。私の経験でも、それぐらいは必要だった気がします。

 

そうはいっても400時間を一気にこなすことは出来ません。毎日、1時間、2時間と少しずつこなしていくわけです。言ってみれば、時間を積み立てているわけです。そして、貯金額が400時間になったとき、初めてTOEIC730という目標を手にすることができるというわけです。簡単な理屈ですね。

 

ここからがポイントなのですが、早く目標の貯金額を貯めたければ、貯金するペースを増やさなければいけないですよね。それと同じように、早くTOEICの目標スコアをクリアしたければ、1日当たりに勉強する時間を増やさなければいけません。

 

ところが、特に社会人の方はそうだと思いますが、そう簡単に勉強する時間を確保することは出来ません。忙しい毎日の中では、1時間でも難しいという人も多いと思います。

 

ここで私が言いたいことは、英語学習の時間を買うためにお金を使ってみては?ということです。これだけでも、教材選択の基準がはっきりすると思います。

 

英語学習の時間をお金で買う方法

「時間をお金で買う」方法はおおまかに二通りあります。この二つをそれぞれご紹介します。

 

時間そのものを買う

これは単純です。純粋に学習時間を増やすためにお金を使うということです。一番分かりやすい例が留学です。留学した場合、英語しか通用しない社会にいるわけですから、おおげさに言えば24時間、英語に浸れる環境にいることが出来ます。これだけでも学習時間が飛躍的に伸ばせます。

 

また、留学した場合、学校以外はフリーというのが普通です。ということは自分が自由に使える時間もたっぷりあるわけですね。

 

留学することのメリットはここです。英語の学習に費やせる時間が圧倒的に増えるということです。ここで、先ほどの400時間という量です。1日1時間ならば1年以上かかってしまいます。しかし、1日10時間ならば1ヵ月ちょっとです。差は歴然ですね。

 

乱暴な話をすれば、留学するときに、留学先のスクールの質なんかどうでもいいのです。英語しか通じない社会に24時間いられる、しかも自分が自由に使える時間がたくさんあるという環境こそがメリットなのですから。

 

ちなみにこの「英語を時間で買う」という観点から言えば、もっと単純な方法もあります。自分の部屋に閉じこもって、ひたすら勉強するということです。1年留学しようと思えば100万円単位でお金がかかりますが、部屋に閉じこもるだけならばその数分の一で済みます。極端な例ですが、こんなことも出来るということです。

 

時間あたりの効果をアップさせる

英会話教材を活用するという意味では、こちらが本題です。先ほどの400時間を例にしてみます。あなたのTOEICのスコアは500点。これを半年で730まであげたい。でも、どうしても1日1時間しか時間がとれない。こういう場合にはどうすればいいのか?

 

時間の質を上げるしかありません。今まで1時間勉強して、1時間貯金していたのを、これから1時間勉強して、2時間貯金すればよいのです。そうすれば、180日後には、180時間勉強して、360時間分の成果を得られますから、ほぼ達成できるということです。

 

わかりにくい話かもしれませんが、要は学習効率を良くしようという当たり前の話です。当たり前の話なのですが、この感覚を持っていると、自分に適した学習教材を選ぶのが楽になります。

 

例えば、あなたの弱点が文法だとします。この場合、現時点であなたが使っている参考書を取り出してみてください。1時間かけて勉強したとして、どれくらいのことを理解できましたか?仮に5つの項目だったとします。この場合、1時間かけて10個の項目を覚えられるような教材を探せばいいのです。

 

もし、みつかればあなたは、今まで2時間かけておぼえていたことを1時間で覚えられるようになります。これが時間の効率をあげるということです。

 

実際には厳密に時間当たりの効果を測定することはできません。しかし、実際に勉強しているあなたならば、感覚的に自分の学習速度を実感できるはずです。理解しやすい教材、特に短時間で理解出来る教材が、あなたの学習効率を上げてくれる教材です。

 

リスニングについては難しいかもしれませんが、それ以外の分野でしたら、結構簡単に把握できます。一つの指針として「時間」というのを参考にしてください。