私はコラムのなかで、「自分の好きなことだけ勉強すればいい」ということを繰り返し、書いています。でも、このコトバを聞いて、疑問を感じる人もいると思います。

 

例えば、文法が嫌いだといって勉強しないでいたら、いつまでたっても話せるようにはならないのではないか?というようにです。

 

これは誰もが自然に感じる疑問だと思いますが、「大丈夫」というのが私の答えです。今日はこのことについて、お話しようと思います。

 

文法を例にとってみますが、文法は英語を話せるようになるためには、必ずマスターしておく必要があります。でも私は、「文法が嫌いでやりたくありません」という人に対しては、「それなら、やる必要はない」と思っています。

 

理由は、嫌々ながら勉強しても効果がないからです。そのまえに嫌なことをしていれば5分や10分でも疲れますから、勉強する時間そのものが自然と短くなります。2時間ぐらい机に座っていたけど、気がつけば何もしていなかった、なんて経験はありませんか?

 

こんな調子では、成果が出ないですから、ますます嫌いになっていきます。完全な悪循環です。こんな羽目におちいるのであれば、何もしないほうがましです。それならば、同じ時間を好きな勉強に費やしたほうがいいです。

 

では、文法はどうするのか?無視していいの?、となりますが、これも違います。いつかは勉強しなければなりません。

 

この「いつか」というのが、今日のコラムのポイントなのですが、英語の勉強を続けていれば、文法が嫌いという人でも、自然に「勉強したい」と思うときがきます。そのときに、初めて勉強するればいいのです。

 

「文法が嫌い」な人は多いかもしれませんが、その一番の理由はかんたん、難しいからです。人間は自分の手に負えないものについては、嫌いになる傾向があります。

 

逆に、簡単に出来るようなことであれば、その簡単さゆえに、好きになっていきます。好きにはならなくても、簡単に出来るのであれば、やろうかなという気にはなります。

 

文法でも、リスニングでも構いませんが、あなたが嫌い・苦手と思っているものがあるとすれば、それはあなた自身の実力以上のものであるせいです。

 

でも、ここが勉強のいいところなのですが、ある分野のスキルが上がると、それにつられて違う分野のスキルの実力も上がります。

 

ですから、例えばリスニングだけをひたすら勉強していた人でも、数ヶ月ぐらいたつと、以前はなかなか理解できなかった文法が、すぐに理解できるようになったりします。

 

みなさんも似た経験があるはずです。例えば、小学生のとき、苦手だった教科が大人になってみてみると、なんでもないと思えるようになっていたなんてことは、なかったでしょうか?

 

こんなことが英語でもおきます。ですから、難しいなあと感じることは今は無視してしまいましょう。そして、簡単に思えること、あるいはちょっと頑張れば理解できそうなことを勉強してみましょう。

 

個人的に私が目安としているのですが、勉強するときには、全体の60~70%を理解できる教材を選んでいます。そして、その教材の理解度が90%程度になったら、もう少しレベルの高い教材に乗り換えます。

 

こんなふうにしていくと、「英語の勉強って楽だなあ」と思いながら、気がつけば、自分でも信じられないくらい、レベルアップしていたりします。

 

自分が嫌だなあと思うことをするのは、効率の悪いことです。そんなことはやめて、自分の好きなことをやるのが、実力アップへの秘訣です。

 

では、最後に「英語自体が嫌いで勉強したくない」という場合には、どうすればいいのか?私は英語自体を止めてしまうのが最良の方法だと思います。
先ほども言ったように、無理してやっても効果は出ないものです。

 

逆に、好きなことを勉強していれば、違う分野のことであっても、必ずいい影響が出ます。(単純に考えても、頭の働きがよくなりますし。)

 

そして、いつか「英語を勉強したいなあ」と思うときに、またやってみるのが一番だと思います。何歳になって初めても遅くはないですしね。