みなさんご存知だと思いますが、『かかってこい!英会話』には、英会話教材を紹介しているページがあります。ただ単純に紹介しているだけではなく、実際に使用された方の口コミ情報を載せているのがポイントで、その教材の不出来がこれでもか、というぐらい明快になります。

 

当然のことですが、人気のある教材、人気のない教材、見事に分かれます。使用された方のレベルや学習目的はバラバラですが、それでも良い教材というのは、どんな人からも支持されるようです。

 

ここでおもしろいのは、教材の人気度をチェックしていくと、効果のある学習方法も見えてきます。これは結果から話をしたほうがわかりやすいので、最初にはっきりさせておきますが、テキストを使って説明を読んで、その後練習問題を解いて・・・というような、学校でやるようなオーソドックスな学習スタイルを採用している教材が人気があります

 

一方で、ひたすらCDを聴くだけとか、音を流しておくというような、簡単に取り組めそうな教材ほど人気がありません。
(名前は出しませんが、HPの体験談を読めば、すぐわかると思います。)

 

私なりにこの理由を分析してみました。色々と考えは浮かんだのですが、一番確信を持っているのは「頭で理解する」ということです。

 

人気のある教材というのは、理論的説明から入ります。この文に使われている単語はこういう意味で、文法はこういうことで、発音の方法はこうなってというように、まず頭で考えます。そして、十分理解したあとに実践的な練習に入ります。

 

一方、不人気の教材というのは、頭で理解する部分がありません。特にリスニング教材で多いのですが、とにかく聴き続けようというように実践的な練習のみを取り上げています。

 

この違いは理論的にも納得がいきます。先週のコラムでも取り上げましたが、既に日本語という言語をインプットされている私達が、無意識のうちに英語をマスターしようというのはほぼ不可能です。意識的に考えて、そして覚えていくという作業が必要となります。

 

ですから、意識的に考えようという部分を取り除いてしまっている教材は、結果的に学習効果が低くなってしまいます。そうなれば、当然人気がなくなってしまうというわけです。

 

また、逆に考えると、不人気の教材を使っても効果を実感できる人物像もはっきりしてきます。それは基礎を完璧にマスターしている人です。理論的な部分は完璧で、必要なことは実践をこなして慣れることだけ、という人は効果が出るでしょう。

 

実際の例としては、アルクの1000時間ヒアリングマラソンがあります。(1000時間ヒアリングマラソン

 

この講座は、とにかく英語を聴きましょうというコンセプトで、本当にただ聴くだけなのですが、非常に人気があります。その理由ですが、対象者を初めから上級者に絞っているからです。

 

中級者までの学習者には別に入門編を設定していますが、こちらは理論的な説明に重点を置いています。

 

というわけで、最初は地道な勉強を続けていかなければ英語は上達しないという当たり前すぎるほどの結論に辿り着いたというのが今回のコラムです。やはり、地味な作業をキチンと出来るかどうか、そこがポイントなのだと思います。キレイごとだけでは、やっぱりダメです。