速聴って、聞いたことはありますか?

 

簡単に言えば、普通の2倍、3倍といった速度で録音した文章を聴くというものです。右脳の活性化に役立つとか、その影響で、外国語も覚えやすくなるというふうに言われているので、1度は興味を持った人もいるかと思います。

 

私は自分で購入したことはないのですが、友人に好きな人物がいて、CDなどを数種類持っています。先週末に私も色々と使わせてもらったのですが、実感として英語の学習に役立ちそうだなという部分があったので、今日はそれについてお伝えしようと思います。

 

ちなみに、私は速聴の理論的な部分はさっぱりなので、あくまでも自分で体験した経験をベースにお話します。

 

私が聴かせてもらったのは本屋さんで売っているもので、通常の速さに加えて、2倍速、4倍速のパターンがありました。

 

試してみたうえでの感想ですが、2倍速、4倍速というスピードを聴いたあとで、通常のスピードで聴き直すとかなり遅く感じます。実際に、聴き取りをしやすくなるので、この点は効果があるといっていいと思います。

 

すぐにまた元通りになってしまうのが残念なところですが、毎日続けていれば、英語が速いと思うことはなくなるような気がします。

 

それはともかく、私が重要だなと思ったのはここからなのですが、私はこのCDに収録されている英語を聴くときに一番理解しやすかったのが、2倍速でした。通常のスピードよりも分かりやすかったです。自然に頭に吸い込まれるといった感覚です。

 

最初は不思議に思ったのですが、ふと気づいたことがあります。それは、2倍速で聴くときには日本語で考える暇がなかったということです。

 

通常のスピードだと聴くときに余裕があるので、相手の言っていることを完璧に理解したくなります。そうすると、つい日本語に直したくなります。TOEICのようなリスニングテストを思い浮かべて欲しいのですが、余裕があればあるほど、日本語に直したくなるという経験はありませんか?

 

ところが、実際にはそんな余計な作業をする余裕はないですから、いつの間にか通常のスピードでも聴き取れなくなってしまいます。最初は聴き取れたのに、聴き続けていくうちに難しくなってきたという経験がある人は、こんなことをしているのかもしれません。

 

(私はこういった経験があります。)

 

一方、2倍速の場合、日本語に直す暇はないので、聴こえてくるコトバを英語でそのまま理解せざるを得ません。日本語を強制的に排除するような形になるということです。

 

英語の基礎力が身についている人(そこそこの語彙力がある人)であれば、こちらのほうが聴き取りやすくなります。本人は気づいていなくても、英語をそのまま理解する能力はついているものなので、そのまま聞き流していると、思ったより理解出来たりします。

 

それを日本語に直そうとすると無理がでてきます。リーディングであれば、ゆっくり時間がとれるので理解出来るとしても、一瞬で理解しなければいけないリスニングになると、その欠点がはっきりします。

ですから、私の結論として英語を英語のまま理解する習慣をつける手段として、速聴というのは効果があると思います。1日数十分でいいから聴き続けてみると、いい結果が出ると思います。

 

ただ、一つだけ注意して頂きたいのは、速聴CDを聴いただけで、英語を話せるようにはならないということです。

 

速聴はあくまでも英語を聴き取る能力を高めるのであって、知識を増やすものではありません。しかし、知識を増やさなければ、英語をコトバとして認識することは出来ません。

 

例えば、『spinet』という単語があります。小型の電子オルガンを指す単語なのですが、このことを知らなければ、幾ら『spinet』というコトバを聴き取れたとしても意味はさっぱり分からないですよね。

 

この『spinet』=『オルガン』という知識を得る作業はその人自身が自分で行う以外ありません。速聴も何も関係ありません。結局は楽は出来ないということです。これはどんな教材でもそうですが・・・

 

こういった地道な努力を怠らずにきた人、厭わない人というのは速聴CDは効果ありです。勉強のカリキュラムとして取り入れてもいいと思います。