先週からTEDというサイトを利用して英会話の勉強をしています。とはいっても、TEDは英語学習用のサイトではありません。面白い講演を集めたサイトです。まだ聞き始めたばかりなので、詳しくは知らないのですが、著名な講演家だけでなく、普通の一般人のスピーチも入っているようです。

 

ただ、そのスピーチも面白くて、普通に聞いていて楽しいですし、勉強になります。

http://www.ted.com/

英語学習にオススメのサイト

 

語学の勉強という点でみれば、TEDはネイティブの生のスピーチを聞けるので、発音の癖や訛りも含めて、手加減のない生の英語ですし、ボランティアの手によってスクリプトが書かれているので、目で内容を確認することも出来ます。

 

私は見たことはないのですが、日本語のスクリプトが書かれているスピーチも多いので、どうしても意味が分からないところは日本語のスクリプトで確認することが出来ます。(余談ですが、スクリプトは誰でも書けるので、いつか自分で日本語のスクリプトを書くこともしてみたいですね。)

 

こうやって生の英語で勉強をしていると、色々と分からないことが出てきます。勉強していて、『だから旅行に行った時など、現地で英語を使うと、相手の言うことを理解出来ない時などが出てくるんだな』と実感しているのですが、本当に分からないことがたくさん出てきます。

 

それは単語の意味が分からないといったことではなくて、英語の使い方に関して、ネイティブは自分のイメージと違うことをしているということです。

 

単語の使い方に関するギャップ

 

たとえば、ある講演で下記のようなフレーズが出てきました。

 

There are a lot of ways the people around us can help improve our lives. We don’t bump into every neighbor, so a lot of wisdom never gets passed on, though we do share the same public spaces.

 

『一緒の場所に住んでいても、全ての人と出会えるわけではないので、多くの知恵が共有されずに流れされてしまう。』といった意味になりますが、最初に聞いたとき、『bump into every neighbor』という部分が何を意味しているか分かりませんでした。

 

『bump into』が『ぶつかる』という意味を持っていることは知識として知っていましたが、『となりの人にぶつからない???』と、フレーズとして見たとき、意味が理解出来ませんでした。

 

スクリプトを見ても意味が分からず、何度も聞き直して、ようやく、こういうことかと意味を把握出来たのですが、これは私がイメージしていない使い方を講演家であるネイティブの人がしているということです。

 

こういったものを私は勝手に認識のギャップと呼んでいるのですが、こういったギャップがあると、相手の言っていることが即座に理解できないので、もし、これが会話だったら、そこでアウトです。

 

語学学習者向けの英語ではなく、生の英語を聴いていると、こういったギャップには度々、遭遇しますが、これらは現実にネイティブと話をするときには障害となります。

 

そのため、こういったギャップに遭遇するたびに、丁寧に一つずつ内容をチェックして、『ネイティブはこういった言い方をするのか』と理解するようにしています。

 

ギャップを埋めるという作業ですが、こういった作業を重ねることで、だんだんネイティブの英語の使い方が身についてきます。

 

英語の発音に関するギャップ

 

これは英語の使い方に関するギャップですが、もう一つ、発音に関するギャップも存在します。スクリプトをみたら分かるけど、耳で聞くと分からないというよくある話です。

 

たとえば、『caught up』という熟語の発音を、私は『コート アップ』といった感じで覚えていましたが、ネイティブは『カーラップ』といった感じで発音します。

 

でも、『コート アップ』と『カーラップ』なので、私からすれば全く別の言い方です。そのため、『カーラップ』と聴いても『caught up』を思い浮かべることがなく、従って『なんて言っているのだろう?』と戸惑うことになります。

 

私は、こういった時には『caught up』は『カーラップ』と言うんだと、理屈抜きで覚えるようにしています。そうすると、次からはこの熟語に関しては正確に聴き取れるようになります。

 

こうやって発音のギャップを埋めていくことで、少しずつ聴き取れる範囲が広がります。

 

英会話学習者向けの英語ではギャップに遭遇しない

 

ギャップを埋める作業って、結局は外国語を覚える時のプロセスそのものです。

 

こういった時には、こんなふうに言うと、一つずつ覚えていきます。私が典型的な人間なのですが、日本人の語学学習者がTOEICなどのテストでは高スコアを取れるのに、ネイティブと話そうとすると通用しないというのは、生の英語について知らないことがたくさんあるからです。

 

さらに、なまじ日本で勉強したことで知識だけはたくさんあるので、自分が知っている英語と違う使い方をネイティブがするので、混乱してしまいます。

 

でも、これは仕方がないことです。(言葉を覚える時には、当たり前のことです。)こういったことを一つずつ覚えて修正していくことで、だんだん言葉というのは覚えていくものです。

 

ただ、ここで重要なことは語学学習者向けの英語だと、こういったギャップに遭遇する機会がないということです。そのため、幾ら勉強しても、実際の現場では通用しないといった結果になってしまいます。

 

そのため、ある程度、英語が出来るようになったら、生の英語で勉強する機会を設けるべきです。このほうが実践的な力を身につけることが出来ます。

 

今回、TEDで勉強して、改めて、このことを実感しました。ネイティブが使う言葉って、本当に簡単な単語ばかりです。でも、使い方は学習者の想像を遙かに超えるぐらい、バラエティに富んでいます。単語の意味だけでなく、使い方を覚えるのが英語をマスターするための重要ステップですね。