この記事を書いている今(2012年10月)、私はアメリカのラスベガスにきています。10年ぶりのアメリカです。2008年のリーマンショック以後、経済が失速したと言われていますが、やっぱり元気。

 

毎年のようにラスベガスを訪れている友人によると、リーマンショックの直後は、さすがにガラガラだったみたいですが、ここ1~2年で、だいぶ回復しているということ。金融危機の影響で止まっていた開発も再開されているようです。

 

実際、10年前とは大きく風景が変わっていて、見たことがない建物がズラッと並んでいます。なんだかんだいって、この国は元気です。

 

さて、アメリカということで、当たり前ですが毎日、英語に接しています。それで、自分の語学力の衰えを痛感していますが、そのなかで、ふと心に浮かんだことがあります。

 

それは、『最後の最後では、英会話は本場にこないと学べない』ということです。日本にいながら英会話を身につけるのは難しいと思いました。

 

現地にいなければ学べないようなことが、たくさんあるからです。

 

今回の旅行でも、いくつか、そんな経験をしました。

 

現地での英会話の事例1:ADA Transportationって何?

下記の写真は、私が宿泊しているホテルの空港へのシャトルバスサービスの時刻表を撮影したものです。

 

生の英会話事例1

 

左側に『24 HOURS NOTICE RECOMMENDED FOR ADA TRANSPORTATION.』という文言がありますが、私はADAという言葉の意味が分かりませんでした。

 

でも、24時間前の予約が必要と書いてあるので、もしかしたら空港行きのシャトルバスを利用するには、前日に予約しなければいけないのかなと思い、フロントに伝えました。

 

そうしたら、時間になったら出発するから、予約とか必要なしで乗れるよと言われました。バスに乗れないかもという不安は解消されましたが、なんなのかなと疑問が残ります。

 

ちなみに、日本の辞書で検索するとADAは『ADA欠損症』とか『糖尿病協会』とか出てきます。

 

なんとなく違うような気がして、アメリカの検索エンジンで調べたら、下記のようなページが出てきて、謎が解けました。

http://answers.yahoo.com/question/index?qid=20100210121939AAIQ6zh

 

生の英会話事例2

 

ホテルやレストランのような施設において、障害者でも快適に過ごせるように設備を整えることを事業者に義務づけている法律の名称で、障害者用の部屋や車を『ADA room』、『ADA transportation』と言うようです。

 

ちなみに、ホテルのサイトにアクセスしたら、『ADA Rooms Available』という文言のところに車いすのイラストがあって、完璧に腑に落ちました^^

 

生の英会話事例3

 

これって、日本にいたら分からなかったことです。実際、今まで私は、この言葉を見る機会がありませんでした。アメリカのQ&Aサイトでも質問している人がいるので、知らないのは日本人だけではなさそうですが、それだけに現地にいなければ分からないことだと思います。

 

現地での英会話の事例2:航空会社ではchildではなくてinfant

 

今回の旅行では、私はラスベガスからメキシコのカンクンに移動するのですが、日本のサイトから航空券の手配をするのは難しかったので、ユナイテッド航空のサイトから直接予約しました。

 

日本語サイトは訳がわかりづらいので、英語版の本サイトから手配したのですが、そこでも面白いことがありました。

 

今はネット上から事前にチェックイン出来るので、その処理を進めていた時に、下記のような質問が表示されました。

 

生の英会話事例4

 

『infant』は『歩けない幼児』を指す言葉なので、赤ちゃんがいるかどうかという確認ですが、日本で英語を勉強する時には、これもなかなか出会わない言葉だと思います。

 

ちなみに歩けない幼児ということなので、恐らく日本で言うところの2歳児未満、3歳児未満といったイメージだと思いますが、このあたりの言葉の感覚って、実生活を送るうえでは大切です。小さなお子さんを持つ人にとっては、まさに必須用語なので、それだけに日本でも、もっと重要視して教えたほうがいいのではと感じました。

 

日常的に使うことこそ、日本の英語教育では教えてくれない

 

あと、何気なく、これって教えてもらったことがないと思ったのが、スタバでのコーヒーの注文方法です。

 

『カフェモカのホットをトールサイズで。』

 

こういうのって、いざ英語で話そうとすると迷いませんか?

 

『hot tall café mocha.』でも『tall hot café mocha.』でも何でもいいのですが、日常生活だと、こんな注文をする機会って、毎日のようにあることなので、こういったことこそ教えてもらったほうが、実践的には役立ちます。

 

でも、日本の英会話教育ではスルーです。

 

こういったことって、どちらかといえば、言葉の問題と言うよりも、どうやって言葉を使うかという運用の問題です。Tallもhotも意味を知らない日本人はいないでしょう。

 

でも、意味だけを知っていても、こんな場面ではこんなふうに使うといったパターンを知らなければ活用することが出来ません。

 

日本の英会話教育は、そういった実生活を念頭においた視点が抜けていると感じます。英語という知識を覚えることには熱心だけれども、生活するためのツール、コミュニケーションを取るためのツールとしての使い方を学ぶことには関心が向いていません。

 

だから、実際に現地に行くと困るわけです。

 

逆にこういったことって、知識的にはすごく簡単なので、ちょっと英語が出来る人であれば、一度教えてもらえれば、すぐに理解できます。運用力を身につけるのは簡単ということです。

 

それだけに、やらないのがもったいないのですが、これが日本の英会話教育の実情でもあります。

 

恐らく、日本だけで英語を勉強しましたという人が海外に行ったら、分からないことがたくさんあると思います。下手したら、レストランで注文することすら、あたふたするかもしれません。

 

アメリカの注文パターンと日本の注文パターンは違うので、日本の感覚で行くと、理解出来ないこともあるからです。英語が出来なくても、何度も海外旅行をしている人のほうがスムーズに注文出来ると思います。

 

TOEICで満点を取るといったことであれば、日本にいながらでも出来ます。でも、英語をツールとして捉えて、実生活のなかで使うことを目的とするのであれば、やっぱり現地体験も必要かなと感じます。

 

そういった意味では旅行でも短期留学でもいいから、現地でじかに英語を使う機会を持つことは非常に重要だと思いました。

 

海外にいけばいいというほど単純なことではありませんが、いかなくてもいいというのも、ちょっと違うかなと、そんなふうに感じました。英会話は実践ありきです。