先週、運用力という話をさせて頂きました。そのコラムを自分で読み返して、自分で気がついたことがあるので、それを書いてみようと思います。

 

先週は英語を話すためにはどうすればいいのか?という視点からコラムを書きました。今週は、英語を話せない人はどんな人?という逆の視点から書いてみます。

 

英語をマジメに勉強しているのに、英語が話せるようにならない人って、たくさんいます。本人は話せるようになりたくて必死です。でも、話せるようにはならない。こんな悩みを抱えている人達です。

 

こういった人たちには、ある共通点があるのですが、あなたには、それが何かわかるでしょうか?

 

それは英語を話すためには知識がないとダメというふうに考えていることです。例えば、あなたが海外旅行へ行ったとします。そこで突然、胃が痛くなりました。お医者さんにそのことを伝えなければいけません。でも、あなたは胃という英語を思い出せません。

 

英語を話せない人というのは、こんなとき『胃って英語でどう言うんだっけ?』と必死で思い出そうとします。

 

一方、英語を話せる人というのは、胃というコトバを思い出せないと割り切ってしまいます。そして『I feel pain here.』というような言い方をしながら、胃を指差します。

 

英語が話せる人と話せない人の大きな差はここです。いざというときに、機転がきくかどうか、ここで違いが出てきます

 

日本語を話しているときのことを思い出してほしいのですが、コトバを一個ずつ丁寧に正確に口にするなんてことはないですよね。『あれ』とか『それ』とかいうふうに済ませてしまうことも多いのではないでしょうか?

 

この感覚を英語でも出来るのかどうかというのがポイントになります。英語をキチンと覚えようとする姿勢は大切です。この姿勢がなければ、知識はいつまでたっても増えません。

 

ですから、知識量を増やすという意味でとても大切なことです。やらなければいけません。しかし、いざ会話というときには、考えを切り替えることができなければ、英語を話すなんてことは一生できないでしょう。

 

ネイティブでも知らないことはたくさんあります。まして、大人になってから英語を習い始めて、しかもせいぜい1日数時間程度しか触れることのない日本人が完璧になるなんてことは・・・

 

不可能とは言わなくても、きわめて難しいことです。要は知識を増やして、英語を話せるようになるといった考えよりも、今ある知識を使いこなせるようになるという考えを持たなければ、英語を話すことは無理だと思います。

 

家で勉強しているときは正確さをもとめる、外で会話をするときには通じることを優先する

 

こんなふうに使い分けることができればバランスよく、知識と運用能力を磨くことができると思います。