先週のコラムで、私は中学生のとき、『This is a pen.』が『Is this a pen?』に変化する理由が分からず、半年以上悩んだという経験をお話しました。
そんな私ですが、中学1年の終わりごろから、ようやく人並みのレベルまでたどり着くことが出来ました。
今回は、その理由についてお話しようと思いますが、理由はとても簡単です。英語を理屈で考えることを止めたからです。
『Is this a pen?』の例で言えば、『This is』が『Is this』に変わる理由を考えるようなことはしなくなりました。相手に尋ねるときはこうなるんだとだけ頭に入れて、理屈は考えないようにしました。
ここまで読んで、当たり前と思われたかもしれませんが、英語が話せない日本人のなかには、同じようなことをしている人がたくさんいます。
『なぜ、こうなるのか理解できない』
英語に関して、こんな疑問を持った経験は誰でもあると思います。理屈を理解しようと必死で考えても、答えが見つからないというケースです。
そんなとき、開き直って理屈で考えることを止められるかどうか、『こうなるんだ』と強引に丸暗記してしまうことが出来るかどうかが語学上達の1つのポイントだと私は思っています。
先ほどの『Is this a pen?』が好例です。『This is a pen.』がなぜ『Is this a pen?』に変わるのと訊かれたら、あなたはどう答えるでしょうか?
多分、疑問形のときはこうするのが決まりだからと答えると思います。納得出来る回答ですよね。
ところが、当時の私は、この回答に納得することが出来なかったんです。そして、『どうして、疑問形だとこうなるの』と考え始めてしまいました。
お気づきだと思いますが、こんなこと幾ら考えても答えが出るはずもありません。実際に言語学として研究しているような方であれば、答えを出せるかもしれませんが、そもそも、そんな答えを出したとしても少なくても『英語を話す』という目的を達成するうえでは、たいしたメリットはありません。
疑問形はこうなると覚えておけば、数秒で終わりですし、それで何も困らないわけですから、どちらがいいのか考えまでもありません。
ちょっと思い出して頂きたいのですが、自分に身についている英語ほど理屈抜きで覚えていませんか?
例えば、『Nice to meet you』をみて、『nice』が『良い』で、『meet』が『会う』で、この場合『to』の用法は・・・とイチイチ考えることはないのではないでしょうか?
それよりも『Nice to meet you』は『はじめまして』と一まとめにしてインプットされていると思います。これって丸暗記です。
これと同じことを全てのフレーズに応用してしまえばいいだけです。理屈で考えたほうが分かりやすいということもあるので、基本的は頭で考えて納得して覚えるというやり方でもいいと思いますが、そこで自分が理解出来ないことに遭遇したとき、素直に丸暗記して覚えてしまうという選択肢があってもいいと思います。
共通理解として話されていることであれば、それがコトバなのですから、あまり理屈に合う・合わないと騒いでも仕方がありません。
(幾ら、あなたが理解できないといっても、それが一般的に使われているのであれば、立派なコトバです。)
英語を話したいのであれば、英語を話す人が口にすることを真似ればいい。そんな単純な発想でいけば、もっと英語の勉強は楽になるような気がします。