『This is a pen.』
これは中学生になって英語を習い始めるとき、最初の最初で目にするフレーズです。もし、このフレーズを疑問形にするとどうなるでしょうか。もちろん『Is this a pen?』です。当たり前のことですね。
ところが、ここで『なぜ、isとthisをひっくり返すの?』と訊かれたら、あなたはどう答えますか?
『疑問形だから』と答えると思います。
それに対して、さらに『なぜ、疑問形だとひっくり返すの?』と訊かれたどうでしょう?『そういう決まりだから』と言うしかないと思います。
正直、こんな質問をされたら訊かれたほうがお手上げです。こういったことで悩みを持つ人に理解させるのは至難のワザです。
『こんなことを気にせず、疑問形の場合はひっくり返すものと覚えちゃいなよ』
こんなことを言いたくなると思います。
これは何かと言うと、中学一年生のときの私です。当時、私はたまたま中学入学直後に病気になって学校を休みがちの状態で、そのため英語についてはさっぱり理解できませんでした。
『Is this a pen?』程度が分からないぐらいですから、英語の全てが理解出来ないのと同じです。
本当にさっぱりワケが分からず、問題にスラスラ答えている友達が魔法使いのように見えました。冗談ではなく、英語は私にとっては魔法の呪文や何かの暗号のように見えました。
私はこのメルマガで何度も『英語なんて誰にも出来る』ということを口にしていますが、それにはこの経験がベースになっています。
もし、最初から英語が得意科目で人より出来たというのであれば、向き・不向きがあるとか、能力の無い人間はダメなんて考えを持つようになったかもしれません。
ただ現実として、私の場合誰よりも出来ませんでした。しかも、出来ないという程度がハンパではなく、その当時の私より英語が出来ない人間はこの世に存在しないと思えるくらいです。
(どんなに英語が出来ないといっても『Is this a pen?』ぐらい、わかりますよね。)
そういった意味で、私は一番下のレベルから勉強して話せるようになった人間だと思っているので、それ以上のレベルにある皆さんが話せるようにならない理由は何もないと思っています。
ちなみに、私が『Is this a pen?』を自分のモノするまでに半年以上かかりました。半年以上も分からずに悩んでいたということです。(かなりのひどさですね。)
半年後、英語に対する考え方を変えてから理解出来るようになり、それ以来、英語の力が上がっていきました。そのことについては来週のコラムでお話しようと思います。特別な秘訣というほどではありませんが、勉強しても力が伸びないという人にはヒントになるかもしれません。
今回はとりあえず、これぐらいヒドイ人間でも英語を話せるようになったということだけお伝えできればと思います。ただ、この『Is this a pen?』の話は、英語に悩む日本人が大抵引っかかるワナだったりします。中身はもっと高度ですが・・・
このあたりは来週お伝えします。お楽しみに。