先週のコラム(Vol.31)で、英検で出てくる知識は日常会話でも役にたつ、でも、いきなり1級や準1級といったレベルを目指すのは、順序としておかしいということを書きました。

 

今週は、それでは何級を目指すのがいいのかという点についてお伝えしようと思います。

 

早速、その答えですが、2級、あるいは準2級あたりが一つの目安です。要は高校生レベルの知識は日常会話でも、最低限必要ということです。特に、こだわって欲しいのが文法です。このレベルの文法知識は日常会話でも絶対に必要です。

 

逆に言えば、このレベルの知識さえマスターすれば十分ということです。他の分野、リスニング、ボキャブラリー、リーディングといったモノについては、最初はこだわらなくても大丈夫です。

 

この分野の知識を学ぶ方法は、英検であってもTOEICであっても、あるいは資格試験は無視して、英語を話せるようになれればそれでいいという人であっても、やることは一緒です。ひたすら、英文を読んで、聴いて、ということを繰り返すだけです。

 

これは時間さえかければ、誰でも上達しますから、あまり心配する必要はありません。よく、英語の参考書で見かける話ですが、英語の勉強はコップに水を入れるようなもの。(水=知識です。)

 

少しずつでも、水を入れていけば、いつかは一杯になる。だから、諦めずに続けていれば大丈夫ということです。でも、この話は前提条件があって、水を入れるコップがしっかりしていないとダメですよね。穴があいていたり、ヒビが入って水漏れしていたりしたら、いつまでたっても溜まりません。

 

そのコップにあたる部分は英語の土台にあたる基礎中の基礎、具体的には文法と発音です。この二つをマスターしていないと、せっかく覚えた知識も満足に活用出来ません。ですから、最初に英検2級レベルの文法はマスターしておくべきというのは、私の率直な意見です。

 

そのために英検はいいペースメーカーです。そのレベルの知識を身につければいいので、必ずしも英検を目指す必要はないのですが、文法知識の場合、試験対策のような勉強法が一番効率がいいです。

 

ですから、ペースメーカーとして向いています。コツコツ勉強するスタイルが好きという人は、英検2級ぐらいまではやってみてもいいですね。

 

このレベルまでだったら、試験勉強として覚えたこと全てが役立ちますから、ムダはありません。それが、苦手な人はせめて、文法だけはやっておいてほしいなと思います。

 

英検2級まで到達すれば、知識は十分なので、そこから先は、自分の知識を使いこなす能力をつけることに重点を置いてください。そのためには、実際の会話で使われるセリフを多く覚えるだけです。

 

あとは、頭に浮かんだことを口に出来るように練習を重ねることです。HPに幾つか、私が実践して良かった勉強法を紹介していますので、参考にしてみてください。
http://w117.d.fiw-web.net/studymethod.htm

 

ちなみに英検1級、準1級といったレベルは、わざわざ試験勉強をして、取得するようなモノではないと私は思っています。自然と自分の実力がついて、気がついたらそのレベルの問題が分かるようになっていたというのが理想です。

 

地力がついて、TIMEがスラスラ読めるぐらいになれば、かなりの確率で受かると思います。もし、TIMEなんか読む必要性がないというのであれば、英検の1級、準1級を取得する必要もないですね。

 

資格としてみても、TOEICのほうが上ですし、英検の1級を目指すより、TOEICの990を目指すほうが、実用的です。(TOEICも試験なので、TOEIC対策の勉強だけでは英語は話せるようになりませんが・・・)

 

英検は2級ぐらいまで、それ以降は無理して目指すものではないと思います。

 

※発音については、資格試験ではカバーしていないので、自分で独自に勉強する必要があります。以前、コラムで書きましたので、興味のある方はそちらを参考にしてください。
http://w117.d.fiw-web.net/You%20know%20this%2013.htm