私が自分の体験上勝手に思っていることなのですが、英語で会話をするときには、日本語で会話をするときと全く別のアプローチが必要になります。
例えば、ケーキが話題になっているとき、日本語の場合には会話の内容はこんな感じです。
- 私はこのケーキが好き
- このケーキはおいしい
それを聞いた相手の感想は・・・
- 私も好き
- 私はこっちのほうがいいと思う
一方で、英語の場合には
- このケーキは甘すぎるので、もう少し砂糖を控えるべきだ
- 味のバランスが絶妙で、スバラシイ
それに対する聞き手の返しは
- ケーキの場合、少しくらい甘いほうがいいと思うけど、そう思わない?
- 甘さを控えたほうが味もよくなるし、カロリーも低くなるから、あなたに賛成
この二つのコトバの違いはわかるでしょうか?
英語のほうが日本語より長い?
いい線いっています。
私が言いたいのは日本語の場合には、自分の感想を口にするのが会話の基本になり、英語の場合には、自分の意見を口にするのが会話の基本になるということです。日本人の場合、自分の意見を言い合う議論のような会話は、仕事上ではともかく、日常会話ではやらないですよね。
でも、日本の外に出てみれば、意見を言い合うことはごく自然なことです。意見を重ねるうちに白熱して、横から見ると喧嘩をしているように見えますが、それが更にお互いの本音を引き出して、信頼感が増すことになります。
日本人同士であれば、雰囲気でお互いの気持が理解出来る部分があるので、あえて口にする必要がないのかもしれませんが、普通はどこの国でも、自分の意見を言わないで、コミュニケーションをとるなんて、不可能です。
ですから、英語で外人さんと話がしたいという人は、自分の意見を言えるように訓練する必要があると思います。これは、口に出来るようになるという前に、会話をしながらその場で自分の意見を即座にまとめるという技術が必要です。これさえ出来れば語学力が多少低くても、十分コミュニケーションはとれると思います。
ビジネスの場では、留学組の新入社員よりも、英語が満足に話せない中堅社員のほうが、うまく外国人とコミュニケーションをとっている場を頻繁に目にします。これも、仕事を通して、自分の意見をいうことに慣れているためだと私は思っています。
英語で話をするのは苦手という人は、英語の力をどうこう言う前に、コトバに出来る意見や考えを持っているのかどうか、確認してみたほうがいいと思います。
「どうやって話をする?」ではなく、「何を話す?」に焦点を当てないない限り、英語の力が伸びたとしても、会話が出来ないという悩みは解消しないと思います。