満喫している大学生活も3年目に入り、そろそろ就職というキーワードがちらほら頭に浮かびます。

 

今の学生さんには信じられないと思いますが、私が学生だった頃には不景気といっても、まだまだバブルの余韻があるころで、大卒であればまず就職出来ました。そんな時代なので、就職活動といっても3年の終わりごろから始めるのが普通です。

 

とはいっても、学校側はいつでも就職の相談には乗ってくれます。カウンセリングを受ける友人も周りに増えてきたので、私も遊び半分で受けました。

 

カウンセリングでは当然、どんな仕事をしたいのか希望を聞かれます。しかし、私はこういう仕事がしたいという希望が全くなかったので、適当に留学したいとか、ワーキングホリデーで海外に行きたいと答えていました。ところが、私のTOEICのスコアをチェックしたカウンセラーは思いがけないことを口にしました。

 

「これぐらいの実力があれば、もうちょっと努力すれば十分可能だね」

 

私のほうが驚きました。片言の決まりきったことしか英語で話すことが出来ない私にとって、「留学なんて無理でしょ」というのが本音だったので、このカウンセラーのコトバは意外なんてものではありませんでした。

 

意外なんだけれども、そんなことを言われると、すぐその気になってしまうのが私のいいところ(悪いところ?)です。「留学出来るんだ!」とすぐに信じ込んでしまいました。

 

その瞬間、ある思い出が頭のなかに浮かんできました。子供の頃、テレビでオーストラリアでの生活を紹介する番組を見たときのことです。その優雅さに衝撃を受けました。

 

真っ白な家、芝生が敷き詰められた庭、ゴルフのパットを練習するためのグリーン、大きな家、白いブランコ、車が3台ぐらい入りそうな大きなガレージ、それらがオーストラリアの真っ青な空と見事にマッチングしていました。

 

このとき、私はいつか外国に行ってみたいと思っていましたが、それが初めて現実のこととして、はっきりと認識できるようになりました。

 

「絶対に留学する!外国で生活する!」抑えることのできない情熱が湧きあがってきました。