英語というのは基本的には、机に座って勉強するものです。座学が基本ということになりますが、これはビジネス英語を学ぶときにも一緒です。
ただし、ビジネス英語の場合には、同時に仕事の現場も語学学習の重要な場所と捉えてください。現場でしか学べないことも、たくさんあるからです。
たとえば、『First in, first out』という表現があります。日本語に訳すと『先入れ先出し』となります。これは製造業でよく使われる表現です。 製造業の世界では、部品や材料、原料等、最初に作ったもの、入荷したものから使うというルールがあります。
食べ物にたとえれば、賞味期限の早いものから使おうというような感じになりますが、製造業の部品や材料でも、消費期限というものがあるため、無駄にしないため、こういったルールが存在します。
そのルールを英語では『First in, first out』と言うのですが、製造業で働く人にとっては、ごく当たり前の言葉です。
ただし、この言葉を市販の書籍で学ぼうとしても、まず無理です。参考書や問題集には出てこない言葉だからです。また、辞書を引いても載っていないでしょう。
言葉には、こういったものがたくさんあります。言葉というのは生き物ですから、状況に合わせて、どんどん新しいものが生まれます。 とてもではありませんが、辞書や学習書で全てカバーすることはできません。
そのため、こういった学習素材というのは、あくまでも一般的な表現を扱うにとどまります。 ビジネス英語でも、それは同様です。
業界用語や専門用語というのは、基本的に守備範囲外です。しかし、実際の現場では、そういった表現に精通することのほうが重要です。 逆に参考書に登場するような表現というのは、知らなくてもどうにかなったりします。
そういった意味で、真の意味で通用するビジネス英語を身につけるには、実際の現場において、仕事を通じて学ぶことが重要なのです。 社内で使用される書類、同僚・取引先からのメール文、契約書、発注書、会議の議事録、etc こういったものこそが活きたビジネス英語を学ぶうえでの格好の学習素材です。
仕事の現場で通用する語学力を身につけようとするときには、市販の学習素材だけでなく、実際に仕事のうえで使用する文書等を役立たせる意識を持っておきましょう。
仕事をしながら学ぶOJTこそ、真のビジネス英語をマスターする秘訣です。