今週の話なのですが、次のような質問メールを数人の方から頂きました。

 

『英検を受けようと思っているのですが、役にたつのでしょうか?』

 

今まで、英検に関して質問を受けたことはなかったのですが、急に同じようなメールがきて驚いています。(英検の時期なのかな?)

 

そこで、今日のコラムのテーマは英検です。

 

英検=実用英語検定といえば、誰でも一度は受験したことがあると思います。それだけメジャーな英検ですが、2級、3級ぐらいはともかく、1級、準1級ともなると、内容が難しすぎて、勉強しても意味がないと批判する人もいます

 

日常会話で口にするようなコトバではないとか、ネイティブも知らない特殊なコトバばかりという批判です。私が英語を必死で勉強した頃、こんな批判を聞いて、『英検はムダなんだな』と思うようになりました。

 

7~8年前、NOVAに通ったことがあるのですが、そのときにネイティブ講師に聞いたときにも、『英検の1級は難しい』というようなことを言われて、やっぱりと思ったものです。それ以来、しばらく『英検=意味無し』と思っていました。役にたたない日本の英語教育の象徴ぐらいに考えていました。

 

ただ、自分がそれなりに英語を話せるようになった今ではそんなことはないと考えが変わりました。英語で会話を出来るようになりたければ、英検1級を受かるぐらいの知識も必要と思うようになりました。

 

英検1級、準1級に出てくるコトバは日常会話で普通に使われるモノではありませんが、同時に一部の専門家しか知らないような特殊なコトバというわけでもありません。

 

日本語で考えてみると、よくわかります。例えば、こんなコトバです。

 

『政治献金』、『総裁選』、『交付金』、『助成金』

 

今日の新聞から拾ってみたのですが、これらのコトバは日常会話で頻繁に使うコトバではないですよね。でも、聞けば殆どの人が知っているコトバであるし、時と場合によっては、ごく普通の人同士が会話のなかで口にすることもあるコトバです。

 

日常会話と専門用語の真ん中に位置するコトバといえますが、英検の1級、準1級に出てくるコトバはこの程度のモノです。

 

1級ともなると、確かに『何コレ?』というコトバも出てくることもありますが、数としては2、3個です。ネイティブが分からないというようなレベルではないと思います。

 

ただ、ネイティブにとっては不思議なことだと思います。簡単なやりとりをするのが精一杯の人が、『政治献金』とか『総裁選』なんてコトバを必死に覚えているとしたら、滑稽ですよね。

 

しかも、コトバを勉強する理由が普通に会話をしたいというのであれば、そのまえにやることがあるでしょう、といいたくもなります。ネイティブが『英検は難しい』というのは、こんなことを皮肉っぽく伝えているだけだと思います。

 

結論としては、英検は役にたちます。ムダではありません。目的が日常会話であってもです。でも、英語で自己紹介ぐらいが精一杯の人が、いきなり英検1級というのは、順序としておかしいかなと思います。

 

英検の1級に出てくるコトバというのは、ネイティブであっても覚えるのは、高校・大学ぐらいの時期だと思います。もし、あなたの英会話力が自己紹介が出来る程度というのであれば、実力としてはネイティブでいえば、幼稚園ぐらいです。

 

そうなれば、次に小学校、中学校とあがって、高校・大学はそのあとですよね。ですから、その人の実力によっては、英検の準1級、1級を受けるのは、もう少しあとのほうがいいですよ、ということになります。

 

では、英検はどれくらいまで、やっておけばいいのか?

 

これについては、来週お伝えしようと思います。