リーディング・リスニング・スピーキング・ライティング、英語を話せるようになるには、この4つのスキルを満遍なく磨く必要があると言われています。
それはそうなのですが、1つだけ勉強するのも大変なのに4つもというのは、本当にシンドイです。そして、シンドイことはそう続けられるものではありません。多くの人が英語の勉強を途中で投げ出してしまう原因にもなっているような気がします。
これを防ぐ1つの方法として、自分に必要なスキルを集中して勉強するというやり方があります。
「でも、4つのスキルを全てやらないとダメなんでしょ?」
こんな反論も受けそうですが、これは、高いレベルでの話です。実際には、ここまでしなくても、大丈夫というケースもあります。
例えば、英語を勉強している理由が、仕事で取引先と英語でコンタクトする必要があるからという人がいたとします。もし、この人がコンタクトする手段はメールだけという状況であればライティングとリーディングさえ出来れば、なんとかなります。
これは、現実に多いパターンです。外資系企業でも、とりあえず読み書きが出来ればOK、それ以上のスキルが必要とされる状況では、出来る人に助けてもらうというケースが珍しくありません。
また、ネイティブの友達と自由に会話が出来るようになりたいというのが望みであれば、ライティングやリーディングは、後回しにしても構いませんし、映画を観たいというのであれば、リスニングスキルの向上に集中すれば、それで十分です。
現実には、4つのスキルは相関関係があるので、1つだけやればそれだけでOKということはありませんが(語彙力がなければリスニングも出来ないというふうにです)、ペース配分を変えて、ある部分に集中することは効果的です。
私が、この方法を勧める一番の理由は、モチベーションを維持しやすいからです。ヤル気ですね。
当たり前の話ですが、ヤル気がなければ、何も出来ません。ヤル気を保つことは、大前提となります。そして、ヤル気を保つうえで、キーワードとなってくるのが満足感です。
例えば、勉強して、その分実力が上がったと実感できれば、もっと勉強しようという気になりますよね。逆に、いつまでも効果を実感できなければ、その努力を続けることは困難です。
1つのスキルに集中することは、満足感を得やすくなります。その理由は、少し想像力を働かせれば、すぐに理解できます。
先ほどの例で言えば、メールでやりとりをする必要があるという人は当然、メールをすらすら書けるようになったとか、読むのが速くなったというときに、満足感を得ます。自分が必要としていることですから、ほんのちょっと進歩しただけでも、敏感に成果を感じることが出来ます。
逆に、この人の場合、リスニングのスキルが上達して、以前よりCNNが聴き取れるようになったというぐらいでは、満足感を得られないはずです。それどころか、まだこれしか聴き取ることが出来ないのかとがっかりするかもしれません。
人間は、自分にとってそれほど必要としないものに対しては、よっぽどのことがないと満足感は得られないものです。
車好きの人が、1クラス上の国産車を買っただけで大感激している一方で、あまり車に興味のない人が、「私はベンツじゃなきゃ嫌だ」と言っているようなものです。
語学の場合、努力=成果です。やればやるだけ効果が出ますので、続けることは大切なことです。その『続ける』ための手段として、自分が満足感を得られる分野に重点的に取り組むというのは、いい方法です。自信を持ってオススメします。