ミニコラム第7回のテーマは『英会話教材』です。
英会話教材というのは、実に様々なものが販売されていますが、こういったものは英語の習得に役立つものなのでしょうか?
私個人の意見になりますが、今回も直球でお話しようと思います。この問いに対する回答ですが、レベルによるというのが正直なところです。
こんな感じです。
初心者 大いに役立つ(絶対に利用すべき) 初中級者 役立つ(出来たら利用することをオススメします) 中級者 まあ役立つ(弱点を補強するなど、的を得た使い方をすることが重要) 上級者 あまり役立たない(購入する必要はないのでは)
レベルの定義については厳密には、こうとは言えないのですが、下記ページのような感じで考えて頂ければいいのではと思います。
http://www.ryugakugo.com/australia-study-info/basic-info/english-levels.htm
ここで1つだけポイントとなってくるのは、分野によってもレベルが違ってくるということです。
たとえば、ずっと大学受験対策として英語の勉強をしてきたという人は、文法や語彙、リーディングに関しては中級、あるいは上級なのに、スピーキングやリスニングについては初級ということもあり得ます。
この場合、読解力や語彙力をブラッシュアップするうえでは教材は必要ないけど、リスニングスキルを伸ばすためには英会話教材が有効という結論になります。
細かく考える必要があります。
英会話教材というのは、基本的に初心者が使うべきものだと思っています。教材の利点は学ぶべきことが体系化していることです。ゼロから学ぼうとすると、やらなければいけないことはたくさんありますが、この順番で学んでいけば効率的に学習できるというものがあります。
算数でも、まず足し算・引き算を覚えて、それから掛け算・割り算。それが出来たら、次は分数・方程式というふうに順番が決まっていますよね。
これは適当に決まっているわけではなく、Bという知識を学ぶにはその前にAを知っておく必要があるというふうに、学ぶべき順序をキチンと考えたうえでのことです。
これが逆だったりしたら大変ですよね。英語でも全く同じことが言えるのですが、何も知らない人は当然、どんな順番で学んでいいのか検討もつきません。そこで体系化したカリキュラムを持っている英会話教材が役立つというわけです。
初めから順番に取り組んでいけば、効率良く学ぶことが出来ます。また、英語には、ディクテーション、リピーティング、etcといった幾つか学習パターンがありますが、英会話教材の大半は、そういったものをバランス良く取り入れているので、自然に必要な学習方法を身につけることも出来ます。
これは、英会話教材を使い終わったあとにも役立つ一生モノのスキルとなりますので、こういったことを学べるのもメリットです。
ここまで英会話教材の長所についてお伝えしてきましたが、これらはある程度実力をつけた人にとっては無用のことです。そのため、中級者以上のレベルになると、教材の価値は落ちます。
これぐらいのレベルになったら、英字新聞やペーパバックス、ドラマやニュースなど、生の英語と接したほうが学習効果は高いです。
最後に、市販の書籍を英会話教材の代わりにすることも可能です。特にリーディングや語彙力、文法といったものであれば十分、役立ちます。
ただしリスニングに関しては、教材と書籍には差があると感じます。市販の書籍にもCDがついていますが、英語はただ聴くだけではダメで、どんなふうに勉強するかというのが重要なので、そこがしっかりしているという意味で英会話教材のほうが上です。
こんなふうに長々書いてきましたが、何があっているのかというのは相性の問題でもあります。書籍であれ教材であれ、購入前によく中身を吟味して自分に合っているかどうか確認してください。
これであれば勉強を続けられそうという学習素材を選ぶのがベストです。