薬剤師、看護師など、医療業界で英語が必要とされる仕事が増えている

医療業界というのは、元々はそれほど語学が必要とされる世界ではありませんでした。医者であれば、海外の論文を読んだり、海外の学会や学術誌で自分の研究を発表する時に英語が必要とされていましたが、あくまでもアカデミックな分野での話であり、現場では不必要でした。

 

薬剤師、看護師など、医療業界で英語が必要とされる仕事が増えている

 

ところが、最近では外国人観光客・滞在者が増大するに連れて、現場で英語力が求められる場面が増えてきています。それに伴い、医者だけでなく、看護師や薬剤師など、医療関係の様々な職種において、語学スキルを持つ人材を募集する求人が出てくるようになってきています。

 

薬剤師に関していえば、街中のドラッグストアなどにおいても、求人需要が増えてきています。(日本のOTC医薬品は高品質と外国人に人気なので、売上が急増しています。)

 

薬剤師に求められる語学力の内容

外国人に対する服薬指導が薬剤師に求められることなので、必要となる英語力の中身に関しては、一般的な英会話力だけでなく、薬にまつわる専門用語も範囲に入ってきます。英語でのコミュニケーションが出来るだけではダメなので、医学英語にも精通していなければいけません。

 

医学英語というのはややこしいので、薬剤師が現場で通用する語学力を身につけるというのは、実はかなりハードルが高いことです。理系で英語が苦手という人が多いかもしれませんが、英語を仕事に活かそうとするのであれば、相当なレベルで勉強する必要があります。

 

それだけに、まだまだ英語が出来る薬剤師というのは少なく、転職市場においては、大きなPR材料となります。実際、薬剤師の求人情報を確認すると、『要英語力』となっている案件は、10~20%近く、給与条件が良くなっています。

 

今後、この傾向が強くなることは間違いないので、英語が出来る薬剤師というのは、有利な立場に立てるでしょう。

 

民間企業における看護師、薬剤師の需要

もう一つ、今後、英語が得意な看護師、薬剤師の就職先として、主要になってくると考えられるのが、製薬会社、医療機器メーカー、CRO機関など、メディカル関連企業です。研究開発職で、需要が増えています。

 

現在においては、新薬(医療機器)開発というのは、国際的な協働が主流となってきており、日本国内だけで完結するものではなくなってきています。国際開発の場では、英語が共通語となるため、英語が話せることは、研究者にとっては必須事項となってきています。

 

ただし、これはここ数年になって現れてきた潮流のため、現場において対応出来る人材が不足しています。そのため、看護師や薬剤師といった医療関係者のなかで、英語が出来る人を企業側は積極的に採用するようになっています。

 

研究開発業務をこなせるだけの語学力を有していれば、実務経験や保有知識・スキルについては、ある程度、目をつぶるという会社もあるので、やはり、こちらでも、英語というのは大きな武器になると考えてください。

 

医療英語を学ぶには、どうすればいい?

ここまでの話は、あくまでもビジネスを英語でこなせるということが大前提なので、英語を武器にしていくのであれば、一般的な英会話能力と医療英語の2つを押さえておかなければいけません。

 

一般英会話については、幾らでも学ぶ機会があるので、勉強方法に迷うことはないと思いますが、医療英語というのは、かなり特殊な分野なので、本屋などで参考書を探してくるといったことは、まず出来ません。(よほど、大きな本屋でないと、医療英語に関する書籍は置いていません。)

 

ただし、今はネットを利用すれば、マニアックな専門書を幾らでも探せるので、うまく活用してください。医療英語関連の参考書だと、下記のものは有名です。

 

どれも、長年に渡り、売れ続けているベストセラーであり、評価が高い参考書なので、これから勉強する人にとっては、心強い味方になります。

 

日本英学英語教育学会が実施している『日本医学英語検定試験』に合格することを目標に、勉強するのもオススメです。
http://www.medicalview.co.jp/JASMEE/epemp/

 

1~4級までありますが、基礎から始めて、だんだん実践的な知識が問われる内容となっているので、ベンチマークにするのに最適です。級ごとに公式の教本が販売されているので、こういった本を参考にしながら、勉強に取り組んでみてください。